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公開日:2013.02.08

湘南三浦建築設計協会
仮設住宅コンペで最優秀賞
自立自助の仕組みに評価

  • 「三浦半島全域に普及させたい」とメンバー

  • 同協会が提案した仮設住宅の配置図。空間にゆとりを持たせ、屋外に交流スペースや子育てスペースなどを設けた。

 「リアリティのある応急仮設住宅」をテーマに(社)神奈川県建築士事務所協会が主催した「応急仮設住宅計画コンペティション」で、葉山町、逗子市、三浦市の設計事務所らが組織する「湘南三浦建築設計協会」の作品が最優秀賞に選ばれた。仮設住宅での現況を踏まえた自立自助やコミュニティ構築の提案が高く評価された。同協会では「一過性ではなく、三浦半島全域に構想を普及させたい」と意気込んでいる。



 同コンペは昨年9月に公募。全国の建設団体や研究所、教育機関などから28作品が寄せられた。



 作品は仮設住居を建設する候補地として【1】横浜市(矮小型)【2】三浦市(段差型)【3】小田原市(広域型)いずれかを選ぶのが決まりで、同協会は【2】を選択。作品コンセプトは「みんなでささえる、みずからささえあう」とした。東日本大震災では、近親者や知人を失った高齢者らの仮設住宅への閉じこもりや孤立化が問題となっていたため、同協会メンバーは「自立自助」や「コミュニティの創造」の仕組み作りを計画の随所に盛り込んだ。



 住宅の基本は2・7mを基本スパンとする木造ユニット。重機に頼らず、建築の知識がない人でも組み立てられる構法を採用した。建築費も一戸330万円(標準型)のうち、170万円を地域で購入する資材費や人件費にあてることで地域経済の復興を後押しする構想も視野に入れている。



 特徴的なのは、施設の配置図。碁盤の目のように住居を配列するのではなく、両手を合わせたようなイメージに配置することでフリースペースを作り、入居者の交流ゾーンや子育てゾーンを設けた。「3方向を海に囲まれている三浦半島は(東日本大震災のような災害時に)周囲から孤立する可能性もある。早期から自分たちで復旧できる仕組みを考えた」と同会代表の青木建さん。



 同協会では昨年から6人のワーキングメンバーで会議を重ね、仮設住宅の課題を解決する方法を話し合ってきた。今回提出した作品は今のところ実際に建設される予定はないが、「防災計画として行政や地域団体と連携しながら三浦半島全域に普及させたい」とメンバー一同。青木さんも「できれば全国に広めたい。いざという時に今回のような計画が実施できる日ごろからの仕組みづくりが重要だ」と話した。

 

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