逗子海水浴場が先月27日、関東地方では最も早い海開きを迎えた。ここ数年来で乱れた風紀や治安の回復が最大の課題として位置づけられる同海水浴場。「ファミリービーチ」の復活はなるのか。式典会場には動向を注視する多くの報道関係者が詰めかけた。
午前8時、海岸中央では逗子海岸営業協同組合による安全祈願の神事が執り行われた。そこに市関係者の姿はない。例年は市の式典と合同で実施してきたが、今年は海の規制強化をめぐる条例改正に組合が反発、現在市と係争中のため、時間を前倒しした異例の個別開催となった。式典で組合の原敦理事長は「市と溝ができたまま開設を迎えるのは残念」とし「組合員一同、自主ルールを守りながら市民と来場者が安心して楽しめる海を目指したい」と話した。自主ルールについて組合は、拡声器を使った音楽の禁止や入墨の露出禁止などを盛り込んだ市の条例案に沿う方針だが、7月14日までの暫定措置。15日以後については「変更する可能性はある」と含みを持たせた。
一方、市の式典も例年と雰囲気ががらりと変わった。毎年市民グループがフラダンスを披露してきたが、「(条例周知を図る市が)規範を示すため」として今年は中止に。音楽を流す替わりに市内小学生や幼稚園児らが参加者とともに童謡「うみ」を合唱したほか、関係者もマイクを使わず肉声であいさつ。平井竜一市長は「規制が『厳し過ぎる』という意見もあるだろうが、市民が家族で安心して楽しめる、本来の逗子の海を取り戻すのは開設者としての市の責任。市民と力を合わせ全力で取り組んでいく」と述べた。
この日、家族連れで海を訪れていた30代の男性は「安全な海になることには期待したい。ただ規制が機能するのか不安も残る」、別の女性は「去年までは怖くて子どもを海に行かせられなかった。市の取り組みは評価できる」と話した。
海水浴場開設は8月31日までの66日間。
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