逗子市は、地震等による大規模災害発生時に、妊産婦及び乳児とその家族を対象にした専用避難所を県内で初めて開設する。逗葉医師会や県助産師会とも連携するのが特徴で、1月30日には協定式が行われた。
高齢者や障害者など、避難生活でも特段の配慮が求められる「要配慮者」に対する「福祉避難所」の設置は全国で進んでいるが、妊産婦及び乳児を対象にした専用避難所の開設ならびに、医師会と助産師会との連携は県内初となる。市議会からの求めもあり、市の呼びかけで2年前から協議をしていたという。
式典には桐ケ谷覚逗子市長と学校法人聖和学院の武藤正理事長、逗葉医師会の田嶋博雄会長、神奈川県助産師会の岡本登美子会長が出席。それぞれ市と「施設使用に関する協定書」ならびに「災害時における妊産婦等支援活動に関する協定書」を交わした。
長期にわたる避難生活を余儀なくされた出産直前の妊婦の不安を解消するとともに、乳児を抱える家族には泣き声や授乳時など周りに過大な配慮をしないで済む環境を用意することで、心身へのストレスを軽減する。
場所は聖和学院の体育館と教室で、母子だけでなく父親も避難できる。最大収容人数は242人。医師や助産師は常駐せず、必要な時にすぐに駆けつける体制をとるという。
聖和学院の武藤理事長は「日頃から学校外の学びの場をいただいており、逗子市に何か恩返しできればと考えていた」とし、逗葉医師会の田嶋会長は「家族で安心して過ごせる場所ができて喜ばしい。助産師さんたちの協力がとても心強い」と話した。
県助産師会の岡本会長によると、こうした取り組みは全国的にも珍しく、「県内には600人の会員がおり、災害時支援協力助産師は60人いる。今後は現場を見ながら、いざという時に役立てるようにしたい」とした。桐ケ谷市長は「いつ、どんな災害が来るかわからないなか、妊婦さんや乳児を持つ家族は負担や苦労が大きい。まずは、場所の確保ができて心強い限り。これからも、安心して子育てができるまちづくりを進めていきたい」と話した。
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