「開放型」の校舎に通う子どもたちに隠れ家的な居場所を提供しようと逗子小学校(神田寛校長)で「den(でん)」と言われる小屋を作る取り組みが進められている。現在高さ、幅、奥行き約1・5m程度の小屋に有志の保護者が絵を描いているところで、今月中旬にはお目見えする予定だ。
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denは「子どもたちの秘密の遊び場」を意味する建築用語。同校では平成16年に新校舎を建て替えの際、教室の廊下側に壁の仕切りがない開放型を採用した。開放型の校舎は仕切りがないため、児童が自由にほかの教室と交流できたり、外から教員や保護者が教室の様子を見通せるなどのメリットがある反面、教室の音が隣の教室にも筒抜けになったり、子どもたちが常に周囲の目に晒され落ち着かないなどのデメリットもある。実際、子どもの中にはトイレの個室に閉じこもってしまうケースもあったという。これまで同校では移動式のロッカーに掲示板を載せ、壁の代わりにするなど対応してきたが、根本的なデメリットの解消にはならなかった。
そこで「開放的な場所が苦手な子どもに安心できる居場所を作ろう」とdenの製作に着手。夏休み中に神田校長や職員が小屋を製作し、保護者に絵の装飾を依頼した。「アラスカ」をテーマに絵を描いている吉田摩希さんは「子どもたちに自由にのびのびと遊んでほしい」と期待を込める。また 神田校長は「子どもたちの状況に応じて変化をつけることは大変重要なこと。denが子どもたちの安らぎの場になれば」と話した。最終的には1学年にひとつずつ、計6個製作する予定で今月中に2個の完成を目指すという。
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