少子高齢化に伴い、老老介護や孤独死などの問題が全国で深刻化する中、葉山町では地区ごとに互助組織を作り、町民同士で生活を支えあう動きが広がっている。葉桜団地や下山口、イトーピアなどではすでに活動が行われており、先月には堀内でも新たに組織が立ち上がった。今後益々重要性を帯びる「地域福祉」。その実情を追った。
「できること、自分たちで」
葉桜団地の一角に住む井上三朗さん(81)。一人暮らしで、3年前に足を骨折したのをきっかけに同団地でサービスを提供する「葉桜福祉センター」に加入した。「腰が痛くて掃除するのも大変。本当に助かっている」と井上さん。毎週月曜日の午前10時からがサポート時間で、30分400円のチケットを買い、サービスを依頼する。お手伝いをするのは岩永君江さん(82)。井上さんよりも年はひとつ上だが、てきぱきと部屋の掃除をこなす。「元々ボランティアに興味があったし、(井上さんと)年代が同じで話も合う。私も楽しんでやっている」と岩永さん。支援活動だけでなく住民間のコミュニケーションの場としても一役買っているようだ。
センターの運営は住民自らが行う。現在約40人の利用登録者に対し、約100人が支援者として登録しており、庭の草刈や掃除、犬の散歩やごみ出しなどのサービスを提供。約1500世帯を抱える同団地だがセンター発足11年目を向かえ需要は右肩上がりという。「高齢化が進んで『向こう三軒両隣』を実践しようと始めたが、長年の活動の成果もあって地域に浸透してきたように感じる」と話すのは3代目のセンター長を務める杉浦強司さん。同団地では利用者と支援者の間に「コーディネーター」が入り、サービスを繋ぐ。平均すると日に2〜3人、年間では130件以上の依頼がコーディネーターのもとに舞い込むという。「最近では独居の方だけでなく、2人暮らしの世帯やケアマネージャーからの依頼も多い。介護保険では適用されないサービスの需要が増しているのでは」と杉浦さん。
今年9月、堀内地区でも生活支援組織「たすけ愛隊」が立ち上がった。他の地区と同様、一人暮らしや高齢者が多い同地区。発足間もないが早速10件近い依頼が寄せられるなどまずまずの滑り出しという。代表の三橋政昭さんは「(地域福祉の)ニーズを実感している。今後は利用者や支援者の間で横の繋がりができ、さらに周知が広まっていけば」と話した。
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