逗子海水浴場の監視業務を市から委託されている特定非営利活動法人「湘南海上安全協会」(竹山博理事長)は今夏から、スタンドアップパドルボード(SUP)3台を国内の海水浴場では初めて導入した。従来のレスキューボードよりも広い視界が確保できるほか、ゴム製で強い浮力を有するため、海での救助体制強化に一役買いそうだ。
SUPはサーフボードの一種。通常のボードよりも大きさや幅、厚みを持たせ浮力を安定させることで立ったままパドル(オール)で漕ぎ進めることができる。波や風がなくても楽しめることから、近年は新たなマリンスポーツとして人気が高まっている。
導入したのは米国のボードメーカー、ULI社製。レスキューに特化して使用できるよう、同協会と同社が共同開発した特別製だ。
長さは約3m、幅80cm、厚さ10cm。通常はプラスティックやカーボン繊維が使われるが、救助時に水難者がぶつかって怪我をしないよう素材にはゴムを採用している。さらにボードは空気を入れて膨らませる仕様で高い浮力を確保。大人4、5人が乗っても浮くことができるという。
導入にいたった背景としては、開設中の同海岸の人口密度がある。監視長を務める松野佳大さん(22)によると連休ともなると浜や海は人で埋め尽くされ「監視所からだけでは泳いでいる人の状況が把握しきれない」という。既設されているレスキューボードでは膝で立つのが精一杯だが、SUPであれば立った状態でより広く視界を確保したまま進むことができる。比較的波が穏やかでSUPの利用が向いている海の特性も導入の決め手になった。「ここではSUPは本当に有効だと思う。監視所からの監視やレスキューボードのパトロールと合わせて、事故がないように努めたい」と松野さん。これまでのところ、同海岸で大きな水難事故は発生していないという。
さらに同協会では、今夏から日本財団の寄贈をうけ、水上バイクをパトロール艇として新たに1艇配備。徐行エリアに指定されている遊泳区域付近で暴走航行する運転者が後を絶たないことから、「青バイ」仕様のバイクで指導を強化するという。
|
<PR>
逗子・葉山版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|