本紙は昨年12月に再選を果たした山梨崇仁葉山町長に単独インタビューを行った。2期目に取り組む重要施策や先の選挙で掲げた公約、まちが抱える課題などについて聞いた。(聞き手=本紙編集長・佐藤弦也)
「まちの価値、町民と高めたい」
―まずは選挙戦を振り返って。改めて今のお気持ちをお聞かせください。
「1期目を振り返る、またこれからを考える意味で非常に貴重な機会をいただきました。選挙を通じて皆様から様々なご意見やご指導もありました。今までにも増して気を引きしめます」
―山梨町政、2期目が始まります。今後重点的に取り組みたいことは。
「選挙では、全てやりきる覚悟で公約を掲げました。皆様との約束事として、実行することが大前提。出来なければその理由をお示しする必要もあろうかと思います。定期的な町政報告を、会合や紙媒体で増やしていきたい」
―1期目は「土台づくり」、2期目は「発展」と位置付けました。具体的には。
「これまでは『葉山のおかしいを直す』と様々なことを積み重ねてきましたが、今後は積み上げたものが動いていく場面も出てくる。ごみで言えば収集から処理の課題解決へ、環境保全では市民団体や企業を結びつけながら、自然を守るだけでなく、町民が楽しめるように。そうしたことを徐々に具体化していけたら」
―家庭系ごみについては一昨年から戸別収集が始まっています。民間委託している最終処理の見通しは。
「戸別収集にあたっては町民皆様の多大な協力をいただき、ごみの減量化を大きく前進させることができました。その努力を活かしていくためには行政の責務として、処理に関するコスト削減や環境負荷の低減を目指すべきだと思っています。今後は近隣自治体と話し合いの場を持ちながら、協力関係を築いていくことがその道筋になると考えています」
―選挙でビジョンとして描いた「葉山版DASH村」構想が印象的でした。
「昔田んぼだった場所を再興させることで、大人から子どもまで、泥遊びやキャンプ、農作業や山遊びができる空間をつくるというものです。子どもたちが虫や動植物と触れ合い、農作業で育てた食物を自分で食べる。人間が生きる本来の姿を伝えられる場所が作れたら。まだ構想段階ではありますが、2期目のうちにぜひ一歩でも進めたい」
―中学校給食導入に伴う小中一貫の給食センター整備が議論になっています。
「誤報があるようですが、これについてはまだ決定事項ではなく、あくまで案をお示しした段階です。センター化することには安全性や衛生基準の向上が期待でき、アレルギー対応の明確な仕組みができることも利点です。さらに小学校給食施設の老朽化を考えれば、各校を再整備するよりも効率化が見込める。ただ、センター化への不安や様々なご意見もあります。関係者と意見交換をしながら、具体化に向けてさらなる検討を重ねていきます」
―職員の地域手当について。前町政時代から国基準を4%上回る10%を支給していることで、国からの交付税が減額されています。
「地域手当については改定を目指しています。特別交付税が減額措置されていることは事実。これは(職員)組合も良しとは思っていないはず。一方で、私の立場では、職員との労使合意も担保すべきと考えています。具体的な時期や方法については現在話し合いの俎上(そじょう)にあり、方向性が固まり次第、お示しします」
―今年1年間のテーマがあれば教えてください。
「昨年度に続き、今年度も『健康』をテーマにしようと考えています。昨年は人間ドックや脳ドックなどの健診補助を増やすことや、小児医療費を小学6年生まで無料にするなど政策的なものが主でしたが、今年度は生活習慣病や皆様のライフスタイルを見直してもらう講座や勉強会の開催、そして葉山体操の普及などにも取り組みます。体が健康になれば心も健康になり、それがまちの活力にも繋がります」
―最後に2016年、町民へのメッセージを。
「町民皆様を支えるために役場があり、一番下で役場を支えるのが私の務めです。葉山町は規模が小さくとも、全体がひとつになれるまち。その力を、今後はまちを元気にすることや子どもたちを笑顔にすることに向けられたら。皆でひとつになって、葉山の価値を一緒に高めていきましょう。本年も皆様のご活躍、ご健勝を祈念いたします」
|
<PR>
逗子・葉山版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|