逗子市が設置を目指している総合的病院の運営法人が「医療法人社団 葵会」(本部 東京都千代田区・新谷幸義理事長)に決まった。約1カ月の公募期間中に葵会を含む2法人から応募があり、有識者から成る選考委員会の答申を受け、平井竜一市長が決定。実現に向けた課題が多いなか、4度目となる悲願に向け最初のハードルを越えた形だ。
7日、逗子市議会第4回定例会の「総合的病院に関する特別委員会」で平井市長が報告した。
応募があったのは葵会と「医療法人光陽会 鎌倉ヒロ病院」。選考基準は市民の医療ニーズへの対応や事業の継続性など22項目で、葵会が13項目と合計点で上回った。
葵会は全国で病院や介護施設など120施設を展開。県内でも川崎や相模原市で病院運営に実績がある。建設計画によると、建物は地下1階、地上3階で延べ床面積は約1万8千平方メートル。病床は全て個室で、その他手術室3室に外来診察室12ブースなどを備える。診療科目は内科、小児科、外科、産婦人科など12科目。当初計画は250床だが、最終的に300床を目指すという。
同日の特別委員会後、平井市長は会見で「(総合的病院は)30年以上必要とされながらこれまで3度実現に至らなかった経緯がある。全国的にも施設運営をしている法人に進出してもらい、大きな期待をしている」、新谷理事長は書面で「逗子市の目指す医療施設を充実するため鋭意努力する」とコメントした。また病院の開設時期については「最短で2020年度中」(平井市長)と見通しを示した。
逗子市が含まれる横須賀・三浦医療圏では現在175床が不足しており、申請を受けた県が来年3月末までに割り当て病床を決定する。市と病院はこれに加え、18年度から始まる次期県医療計画の中で新たに盛り込まれる病床の確保を目指す構え。ただ建設候補地は現状病院建設ができない地区のため、実現には都市計画手続きで用途を変更するなどの必要がある。
市は病院誘致にあたり、同市沼間3丁目の市有地約2万2千平方メートルを候補地として用意。土地を無償貸与する一方、建設や運営面で費用負担はしない。その上で2次救急の輪番制への参加や在宅療養後方支援を行うことのできる200床以上の病院を求めていた。
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