逗子市は今月17日、2016年から進めていた総合的病院の誘致について、断念すると発表した。医療法人社団葵会とともに2022年度中の開設を目指していたが、病床数の確保が見通せず、両者の意向が一致した。
逗子市の総合病院誘致断念はこれで4度目。
今月17日に市議会全員協議会で市議に説明した桐ケ谷覚市長は「病床数、特に急性期病床の確保が極めて困難で、市民が望む公募条件に沿った総合的病院の開設を断念した」と説明。15日に葵会の東京本部を訪れ、同法人の新谷幸義理事長と協議し同日付けで合意書を締結したことを明らかにした。
今回の病院誘致は、2016年12月、医療法人社団葵会が公募で選考され、市は沼間3丁目の市有地を無償で貸し付け。開設時200床以上、最終的に300床規模の小児科や内科、脳神経外科、リハビリテーション科など13の診療科目を有する総合病院を2022年度中に開設することを目指していた。
しかし、この病床数確保が最後までハードルとなった。各病院の病床数は、県の医療計画における三浦半島地区保健医療福祉推進会議で決定される。同会に割り当てられたのは109床。急性期の病床数は24床にとどまり必要最低限としていた45床に届かず、桐ケ谷市長は「当医療圏では特に、急性期の病床確保は極めて困難」と強調。公募条件に沿った総合病院の開設の見通しが立たない状況で「膠着した状況」が続いていた。
ゼロから再スタート
「逗子市の悲願」とされる計画は再度、白紙状態となったが、市は総合的機能を持つ病院の誘致を促進する条例をはじめ、総合計画等に掲げる目標として堅持する方針。当医療圏の現状を確認しながら検討していく姿勢を示した。
記者会見で桐ケ谷市長は「時代も動いているなか、まずは市民の皆様の声を聞き、地域の医療を担っている地元医師会と関係性を構築して市民の望む病院像を見極めたい」とした。
9月以降、市民説明会を実施していくという。
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