葉山町がクリーンセンターの再整備事業に乗り出す。第2回町議会定例会に同センター下水道工事に係る工事請負契約の締結に関する議案を提出。可決されれば大型事業の1つが本格的に始動する。
工事はクリーンセンター内に建設予定の生ごみ資源化処理施設整備に先立つ「最初の一歩」。福祉文化会館までの間をつなぐという。
生ごみ資源化処理施設については、10月末までにプロポーザルを実施し、審査を経て来年1月には業者と仮契約。3月の議会で本契約を結ぶ計画で、工事の着工は4月、供用開始は2024年度を予定している。
葉山町は現在、クリーンセンター再整備のほか公共下水道、給食センターの建設、公共施設の再整備という4つの大型事業を抱えている。
いずれも巨額の財政支出が見込まれるなか、コロナ禍による税収減や、資材の価格高騰などの要因も重なり、昨秋、事業を一旦ストップしていた。クリーンセンター再整備事業は、「国の交付金の期限があることや、逗子市と鎌倉市との連携事業であることから、先行して着手することを判断した」と山梨崇仁町長。総事業費は15億9333万6千円を見込む。
広域連携進む
葉山町と逗子市、鎌倉市の2市1町は、2016年5月に「ごみ処理広域化検討協議会」を設置。同年7月に覚書を締結し、ごみ処理問題に関する様々な課題に対し効果的・効率的に取り組むため、「ごみ処理広域化実施計画」の策定を進めてきた。
10年を期間とする同実施計画を昨年策定し、「ゼロ・ウェイストの実現」を基本理念に、ごみの減量・資源化施策やそれぞれが担う役割分担を明記。焼却施設は新設しない方針も示した。
鍵を握るのが生ごみの資源化だ。燃えるごみのうち、生ごみが占める割合は逗子市で43%、葉山町で54%、鎌倉市で49%にのぼる。
基本方針では▽ごみ減量と資源化、紙おむつの資源化、可燃ごみに含まれている紙類等の分別徹底等について連携して取り組む▽既存施設における共同処理の実施▽広域連携による適正かつ持続可能な廃棄物処理システムの構築を図るとする。
葉山町では生ごみ資源化施設で町の分に加え逗子市の生ごみを受け入れる。鎌倉市でも同様の施設を整備し、同市の分を資源化する予定となっている。逗子市池子のごみ処理施設・環境クリーンセンターは11年度から13年度にかけて大規模改修を実施したことから、燃えるごみの焼却は当面、逗子市で行う予定。鎌倉市の名越クリーンセンターは24年度で稼働を停止する。その後は市内に新たな焼却施設を建設せず、逗子市の焼却施設による処理及び、他市町村との連携や民間活用を行うとしている。葉山町は集めた可燃ごみをまとめて逗子市に運搬するための中継施設も整備する方針という。
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