小田原市は東日本大震災の発生を受け、津波発生時の対策として、避難ビルの協力を市内の事業所やアパート、マンションに呼びかけている。海抜10m未満の区域を擁する市内15の各自治会連合会と協働して4月から取り組みをスタート。半年が経ち、このほど中間報告が発表された。
「3階建て以上」「鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリート」「新耐震基準に適合」など津波避難ビルの要件を満たす建物は、市内に約600。この中から、構造や階段、廊下など避難場所としての適性をみて99件に絞込みを行い、交渉を行っている。
10月17日現在で民間の建物と協定を締結したのは13施設。総面積は約8055平方メートルで、1人当たりの面積を1平方メートルとして換算し、8055人分の収容人数を確保した。このなかで最大の収容人数となるのが、前川のアミューズメント施設「小田原コロナワールド」の立体駐車場。車が入庫していないと仮定し3・4階部分で4800人分の面積となる。同店の栄英樹店長は「有事の際には遠慮なく活用してもらいたい」と話す。
避難ビルの確保目標は約3万5000人分。市内15地区で、避難人数を約10万人と試算し、うち3万人が高台に避難できると想定。残りの7万人を公共施設と民間の避難ビルの半々でまかないたい考えだ。
市地域政策課は「1施設で周辺1Kmの範囲しかカバーできない。エリアごとにきめ細かく指定したい」と話す。現在、36棟と交渉中で、今年度中にできるだけ多くのビルとの協定締結をめざすという。
協定を締結した建物には、津波避難ビルと分かる目印の設置を予定。津波避難地図への掲載、避難訓練などで住民に周知を図る。避難訓練は30日に新玉地区、11月に橘南と酒匂で予定されている。
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