FM小田原が3月25日、2007年の放送開始以来10年目に突入した。市民参加型のコミュニティ放送局として地域に特化した情報を発信し続けるとともに、有事には災害放送としての役割も果たしている。
山王川の逸水を機に、災害時の的確な情報発信手段の確保を検討していた市や商工会議所が中心となり、05年に「緊急災害時における情報発信研究会」を発足。調査の結果、コミュニティ放送が情報伝達媒体として有効であることがわかり、約1年の協議を経て翌年10月にFM小田原株式会社が設立された。
関東地方のコミュニティ放送局では唯一、市庁舎内にスタジオを設置。台風や大雨などの警報発令時には24時間スタッフを常駐させ、市防災対策課と連携して緊急情報を放送できる体制を整備。「求められる核は防災」と鈴木伸幸社長(54)が語るように、東日本大震災時に錯そうした計画停電の情報を独自に精査して放送するなど、地域に密着した情報提供を続けている。
市も、「大雨でもラジオなら屋内でしっかり聞こえる」と、防災行政無線を補完する手段としての役割に期待も大きい。
コストを抑えるため、全国では番組制作会社から購入した音源を使用するコミュニティ放送局が多いなか、独自に制作した番組にこだわるのも同局の特色。ローカルに徹し、番組の9割は市民が持ち込んだ企画から誕生したもので、地元の高校生などもパーソナリティを務めている。
鈴木社長は「災害時の有効な情報提供や地域活性化のためにも、地元メディアも連携し、もっとローカルな番組づくりをしていきたい」と今後の展望を話した。
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