2021年の年頭企画として守屋輝彦小田原市長、勝俣浩行箱根町長、松本一彦真鶴町長、冨田幸宏湯河原町長による座談会を行った。昨年は新型コロナ感染拡大の影響で新しい生活様式が求められた1年になった。また、県西地域では、新たに3人の市長・町長が誕生した。地域のリーダーに、今年の抱負や取り組みなどを語ってもらった。
(司会/小田原支社長・野口康英 12月7日開催)
――まず、2020年を振り返っての感想をお聞かせください。
冨田町長(以下冨田)
「やはり、新型コロナ対応に軸足を置いてきた1年でした。町民の皆さまが感染予防に取り組んで頂いたおかげで、抑えられていると思います。皆さんと一緒に乗り越えてきたと実感しております」
守屋市長(以下守屋)
「5月の市長就任直後、まずやらなければならなかったのが新型コロナ対策です。『生活者・事業者・教育・地域医療を守る』の4本柱を掲げ対策に取り組んできました。小田原市立病院は昨年9月、県から高度医療機関の指定を受け、新型コロナの重症者を扱うことができるようになりました。さらに県立病院機構と県と市の3者協定を結んだことで地域医療連携をより深く進めることになりました。一方、明るい話題としては、12月4日にオープンしたミナカ小田原です。県西地域の発展の中核を担う施設に期待しています」
勝俣町長(以下勝俣)
「4・5・6月にまったく観光客の姿がなかった光景を見た時は、今後の対策に悩みました。その後の事業者や町民への支援を早い段階で行った効果があり、GoToで来た観光客をしっかりおもてなしができたと思います。台風で大きな被害を受けた箱根登山鉄道が再開し道路の復旧など順調に進められているのは良い材料だと思います」
松本町長(以下松本)
「町民の皆さんの理解と努力のおかげもあり、新型コロナ感染者数は抑えられております。昨年の前半はまだ職員として現場で対応しておりました。9月、町長に就任してからは、全体を見る立場としてコロナ対応にあたってきました」
連携し活性化へ
――「東京脱出」と言われるような首都圏から県西地域への移住需要が増えていると聞きます。
守屋「緊急事態宣言解除後は特に増えています。不動産業界の方からの話でも、東京や北関東からの問い合わせが多いと聞きます。小田原駅近辺だけが増えるのではなく、全体に広げていく必要があります。人は地域との繋がりを求めており、繋がりがないと他に行ってしまいます。地域の方と繋がりを持ち、変哲のない日常の中に幸せを感じられること等セットで取り組まないと市全体のパワーにならないと思っています。交流人口から関係人口へ、関係人口から定住人口への流れは歓迎していますが、人が増えることによってプラス面とマイナス面があるので、丁寧に取り組んでいく必要があると思います」
勝俣「当町では、コロナを機会に移住してきたという話はあまり聞きませんが、問い合わせは多くきています。空き家対策で『お試し居住』を実施しており、空き家をお持ちの方は売りたい、若い方は借りたいというニーズのすれ違いがあります。そのような課題の把握はできているので、今後、町内への移住対策を推進していきたいです」
――同様に、働き方改革として注目されているワーケーションについてどうですか。
冨田「2拠点生活という考え方からすると、湯河原を含め県西地域は距離的に良いと思います。伊東の先まで行くと距離的な問題から難しいと湯河原までを選択する方が多いと聞きますので積極的に考えるべきと思っています。しかし、課題もあります。極端な例えですが、東京の保育園に3日、湯河原の保育園に3日通うことが可能かというようなことも考えなければいけません。行政の役目としてどのように解決していくか前向きに考えていきたいです」
松本「テレワークなど流れがきている感触があり、積極的に進めていきたいと思います。今までは、車の入らない土地は真鶴では敬遠されていましたが最近は、安く手に入りやすいと取引が増えていると聞いています。移住者が新たな移住者を呼ぶという良い流れもあり、その方たちが町内で新規に店を開いている例もあります」
――新たなスタイルの観光イベントが求められると思います。
冨田「行政が中止にすると、他のイベントなどに影響が出てしまうので、今年の賀詞交換会は、中止にせず初顔合せ会という形で行うことにしました。観光地としてどのようなことができるのか模索しながら取り組んでいきたいです」
勝俣「大文字焼き、大名行列など形や時間を短縮して行った。全くの中止ではなく、状況や開催場所に応じて対応していくしかないと思う」
松本「近隣がどいうようなイベントを開催しているのか情報共有して判断している部分もあります」
守屋「ワクチンの供給体制がどうなるのかがポイントになると思います。イベントは中止、自粛ではなくコロナと付き合うイベントのあり方は考えられます。今年は市民ホールが完成します。盛大なオープニングが出来るような形に持っていければと考えています」
――ワ―ケーションなどのニーズをとらえ、1市3町の連携についてはいかがでしょうか。
冨田「小田原市及び駅周辺は、ターミナル機能があり都市型の駅周辺の雰囲気が出ています。そこを中心に、都市的な面は小田原、違う部分を下郡3町が担う。あえて話すと、機械に支配されてしまうのは良いことではないと思います。便利さの裏側にある自然や文化のゆっくりとしたテンポなど子どもや若年層に感謝の気持ちが育むような中で便利さの追求が大切だと思います。通信5Gなど整備が進めば地理的な距離は不利な条件にならないと思います。小田原市を中心的に都市化が進み、まわりが現状をしっかり確保しながら自然文化の香りを出すことがエリアとして成立するのではないでしょうか。現在、万葉公園は4月のリニューアルオープンに向けて整備をしています。屋外、また施設の外にあるリビングという位置付けで、有意義な時間を過ごしていただく昔からあった観光資源再生を目指しています」
松本「多くの人が訪れている小田原や箱根から、真鶴や湯河原にも人の流れをつくる仕組みが必要です。それぞれの町の特徴をさらに明確にし、下郡全体の活性化に繋がれば良いと思います。夏、特産の小松石の彫刻展を企画しています。また、養殖岩ガキの出荷準備も進めております。これが起爆剤になればと思います」
勝俣「買い物など町民の生活圏が小田原を中心に周辺自治体に及んでいる現状を踏まえ、各自治体との連携は必要と考えています。インバウンドの回復には、3年はかかると思っています。このピンチをチャンスに変えるために箱根観光で何を守るのか、何を見直すのか、何を磨き上げていかなければならないのか、事業者、町民と連携しながら考え行動に移しアフターコロナにおいて世界中のセレブにも箱根を目指して頂けるような新たな観光地箱根にしていきたいです」
守屋「『小田原』、『箱根』といった単体ではなく、県西地域としての魅力を高め知ってもらうことが必要だと考えます。かつての小田原藩である静岡県の東部までを含めた連携が必要と考えております。県西地域は道路事情が脆弱です。新たな道路整備が不可欠です。小田原から沼津に通じる伊豆湘南道路ネットワークの繋がりを深めていくことが大事と考えます」
――皆さま、ありがとうございました。
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