2016年の幕開けにあたり、本紙では加藤憲一市長にインタビューを行った。2015年を振り返り、市政の現状や新年の抱負などについて語ってもらった。
3大案件
――あけましておめでとうございます。2015年は、いわゆる3大案件の進展も注目されましたが、小田原市にとって、どんな1年でしたか。
「小田原地下街『ハルネ小田原』は、開業から1年を迎え、市民や観光客の皆さんに活発に利用され、駅前のにぎわいを生んでいます。暗かった地下街がオープンして明るくなったことは、街に大きなインパクトを与えてくれている、と手応えを感じています。
お城通り地区再開発事業は、四半世紀もの時を経て、ようやく事業の一つが形になり、368台を収容する駐車場と、1階部分には、小田原が誇る市民活動の交流拠点『UMECO』がオープンしました。地権者の苦労をずっと見てきましたので、本当に良かったと思っています。
芸文C「前半が山場」
今後は、残り半分の広域交流施設ゾーンの整備にウエイトが移っていきますが、しっかりと続けていきたいと思っています。スケジュールとしては、今年の早い段階で整備プランを提示し、その後、事業者を選定、設計への着手まで持っていきたいと思っています。順調にいけば、2019(平成31)年度のしかるべき段階で、事業が立ち上がっていくイメージでいます。
また、民間の動きとして、ベルジュの後にトザンイーストがオープンしたことで、小田原駅前の様子がだいぶ変わってきました。対外的にも『小田原元気だね。動いているね』と言われます。 さらにスポーツの面では、小田原には今までなかった『ラグビー』の要素が入ってきました。6月に、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に向け、日本代表の合宿地に選ばれたのは非常に大きな出来事でした。その後(9〜10月)のラグビーW杯イングランド大会での日本代表の活躍と盛り上がりを受けて、ラグビーを起爆剤に、市内の幅広いスポーツ振興につながっていくことが予想されるので、大変期待をしています。
一方で、芸術文化創造センターは、一つ一つ積み上げてきたプロセスが、最後の最後に入札不調で『待った』をかけられた状況になってしまいました。今後は、多くの方に議論していただいたプロセスをしっかり生かし、当初、私たちが考えていた基本計画を、できるだけ実現できる方向として、事業提案という方式で整備を考えています。
今年の前半が一つの山場になると思っており、しっかり市民の皆さんや専門家と議論しながら整備内容をまとめ、進めていきたいと考えています。2016年度中の事業者の決定を目指し、その後、設計などの作業に着手できれば、と思っています。
これまでの設計は、熱心に議論に参画してきた人にとって大切な成果物ですが、入札には1社しか応札せず、しかも20億円以上の開きがあったことも現実です。そこでこれまで集められた議論やアイデアを大切にしながら、既定の予算内で、より自由な発想の事業提案で進めることが、現時点で最善の方法だと判断しました。ぜひご理解いただき、気持ちを一つにして進めていきたいと思っています。これからも、市民の皆さんとともに整備に取り組んでまいります」
――箱根・大涌谷の火山活動が深刻な問題となりましたが、小田原にどのような影響がありましたか。
「小田原の経済が、箱根の状況に直結していることを、身をもって感じた1年でした。市では箱根の火山活動を想定した備えが必要ということで、火山対策のマニュアルを策定しました。
今回のことを受けて、経済面で、大きく2つのことを考えました。
一つは、これまで以上に箱根と小田原がしっかり連携し、箱根を生かした地域経済の強化に向けた取り組みをしていくということ。
もう一つは、箱根がストップしてしまったら小田原も、とならないよう、小田原自体が目的地となるような取り組みをしっかり作っていくということです。
これは行政だけでなく、経済人の方達も思っているはずです。小田原だけでもしっかり集客できる街にするための取り組みを、行政だけでなく商工会議所、観光協会、街中の商店主など、様々な人たちと一緒になって役割分担を決め、しっかりやっていく、それがとりもなおさず外からお客さんを引っ張ってくる、そして2019(ラグビーW杯)、20年(東京五輪)の大きなスポーツイベントに備えた誘客の下地作りになると考えています。小田原ならではの強み作り、小田原が目的地となる経済の仕組みづくりを具体的にやっていかなくてはならないということを強く認識しました」
――そういう意味で、最近の小田原ブランドの顕在化は、頼もしい気がします。
「これまで小田原ブランドというと、小田原城、提灯、蒲鉾、ひもの、梅干しといったところが定番でしたが、最近は『小田原は、人が豊かに生きていくために恵まれた資源を持っている』ということを切り口にした都市セールスをはじめています。
昨年度作成した『小田原ブック』などは、各方面で反響がありました。
農林水産業では、6次産業化で新しい商品やサービス、仕組みづくりが動いています。農業でいえば、十郎梅などのブランド化に加え、オリーブの栽培や商品化について生産者が頑張ってくれています。また柑橘類を使った商品のバリエーションも増えてきています。
林業は、様々なつながりの中から、伝統工芸の新しいスタイルや、子どもたちを対象としたウッドスタート事業、小田原産材を使った家づくり、公共建築の木質化など『木』そのものが小田原の象徴となるような良い動きが出てきています。
昔から、小田原といえば魚でしたが、水産業は『オール小田原』として頑張ってくれていて、『北条一本ぬきカマス(通称・かます棒)』や『小田原城前魚』などブランド化した商品が30種類位できてきています。
加えて、小田原セレクション『市民が選んだ小田原みやげ』がとても効果がありました。『小田原セレクションに選ばれました』という看板を掲げると、その商品が良く売れるようになったそうです。小田原では何が良いのか、市民がどんなものを良いと思っているのか、という選び方が観光客に好評だったようです。
また、大きな反響があるのが『ふるさと応援寄附金』です。私たちの想定を超え、昨年12月中旬で寄附額は1億円を超えました。小田原ブランドにつながるような商品やサービスが人気で、小田原ブランドの発信に貢献しています。
これらの取り組みが複層的に進んできていると実感します」
(9日号に続く)
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