新天皇陛下が即位され、「令和」の時代が幕を開ける。新元号の典拠は万葉集で、小田原市にも縁が深い「梅の花」の歌序文から引用された。「平成」を経て小田原市は人口減少、中心市街地の再開発、漁港施設、市民ホールの開業など大きな転換期を迎えている。
市の統計によると、小田原市の人口は平成11年の20万695人をピークに減少が続く。平成元年と31年の比較ではいずれも19万人強、一方で「世帯数」は約5万9500から約8万1200となり、1世帯あたりの人員が3・2人から2・3人と減った。
大型施設の開業も次々と控える。いまや小田原城と並ぶ観光スポットとなっている小田原漁港周辺エリア。「漁港の駅TOTOCO小田原」も、昨年の台風被害で開業が遅れたが今年11月オープン予定だ。
小田原駅東口お城通り地区の再開発で地上14階・地下1階の高層ビルが、来年6月オープンに向けて建設が進む。ホテル、商業施設などを備え、市外からの誘客も期待される一方で中心市街地の人の流れが大きく変わる可能性もある。
入札不調による建設の見直しなど紆余曲折があった「小田原市市民ホール」もこのほど着工。外観は武者の兜の様な特徴的なデザインで1100席規模の大ホールを備える。将来世代に負担を残さないためにも、継続的な維持管理、将来の施設更新を見据えた運営が求められる。
「令和」の二文字には、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められているという。人口や経済において右肩上がりの前提が崩れたなか、小田原でも新たな「まちのあり方」の模索が続いている。一人ひとりが未来に想いを馳せ、連携し、梅の花のように美しく香る豊かな時代を期待したい。
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