一般財団法人相原保善会の理事長を務める 青木 悠さん 相原町在住 73歳
地元の財産を次世代につなぐ
○…110年ほど前、相原町の住民ら325人が所有する共有地を、地域に役立ててもらおうと活動が始まった。現在の大地沢青少年センターなどを含む20ヘクタール。広大な自然が今でも残る。「先人の皆さんが残してくれた相原の財産。有効に活用して、継続的に地元に還元できれば」と、地代や活動に対する収益を60団体に地元の福祉、青少年の健全育成事業に補助金を交付している。
○…相原生まれ。姉妹3人の中で育ったので「女の子に囲まれていたので、大人しい子だったかな」と振り返る。中学、高校は卓球に熱中。「親戚のお兄さんが、早稲田大のキャプテンでね、よく教えてもらったよ」と目を細める。農家を継ごうと決めていたが、父親の勧めで町田市役所に就職した。「広いところで牛を飼うのもいいなと思っていたんだよね」
○…「次世代にどうつなげていくか」。管理する山林には以前、ムササビやオオムラサキなどが生息していたが、大雪や大雨などの自然災害によって樹木が倒れ、環境が変わったことにより数が激減した。「ヘビやカエルがいて、鳥が飛んでチョウが舞う。多様な生物が暮らせる山に戻れば」と、苗木を育て針葉樹だけでなく広葉樹を植え、そして四季の花々が咲き乱れるように苗を植え、本来の自然を取り戻そうとしている。
○…ハイキングコースの整備や下草刈り、枝打ちなど理事・幹事ら14人が中心となって活動している。「川に木の橋を渡したり、崩れた場所を直したりと力仕事がもっぱら。へとへとだけど、みんなと仕事をしていると楽しいからね」。間伐材などはまな板などにしてイベントで販売し、その収益は東日本大震災や昨年の広島豪雨の被災地などに寄付している。「若い人たちに入ってもらうことが課題」という。活動が多岐に渡るため、「土日に活動することも多いし、難しいよね」。相原の財産を今以上に成長させ、次世代につなぐ。
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