6月21日(水)からギャルリー成瀬17で初の個展を開く 渡辺 静子さん 南成瀬在住
愛犬の死を乗り越えて
○…本格的に絵を始めて約20年。よく足を運ぶ地元のお気に入りの画廊で初の個展を開く。花、風景など身近なものを具象や抽象画で表現。SMサイズの小さなものから12号の大きなものまで、数々の作品を壁いっぱいに並べる予定だ。
○…3月に愛犬のフォックステリア「こむぎ」を亡くしたばかり。今でも思い出すと気分が沈むが、忙しくしていれば気持ちもまぎれるからと個展の実現へ向けて周囲が後押しした。一角には絵やオブジェなどを集めた「こむぎの思い出コーナー」を設ける。苦手だった犬をとある事情で飼うことになったのは8年前。最初は噛みつかれたり、散歩中に引っ張られて転んだりと散々な目に。しかし、いつしか気が付けば作品に向き合う時間はいつも傍らに「こむぎ」がいた。「絵とビバルディの音楽が好きで不思議な犬でしたけれど」と思い出しては笑みを浮かべる。音楽をかけながらキャンパスに向かった一緒の時間を共有して仕上げたものは”2人で描いた”作品だと思っている。
○…小さなころから絵を描いたり、見たりすることが大好き。二人の娘の留学先だったフランスやイギリスへ行った際、訪れた美術館でさまざまな作品を目にするうちに、創作意欲に火が付いた。個性を尊重してくれる師との出会いも、ここまで続けられてきた大きな理由の一つ。イギリスで見て好きになったイングリッシュガーデンを自宅の小さな庭に作り、一年を通して咲く花々を題材として取り上げることも多い。
○…「わかりやすい作品もそろえています。抽象的なものであっても、見る人がその人なりの想像を広げて楽しんでいただけたら」。開催が目前に迫り、自身の作品がどう人の目に映るか楽しみ半分、不安も半分。「近づくにつれて、だんだんとドキドキしてきました」。そんなときはこう考えるようにしていると話す。「きっと『こむぎ』が空から見守ってくれている」
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