8月に開幕した現代アートの祭典「ヨコハマトリエンナーレ」。連携プログラムの一つ「空の芸術祭」が、旭区の若葉台地区で行われる。高齢化が進む同地区では来場者に街をPRし、地域活性につなげたい考えだ。
「空の芸術祭」は若葉台全体を会場に、9月23日(金)から10月2日(日)まで開催される。これはY150のイベントでプロデューサーを務めた、アーティスト日比野克彦さんの監修によるもの。「空」をテーマに、日比野さんが観光大使を務めるブータン王国と若葉台の空をつなげて、「HAPPINESS(幸福)」とは一体何か考えようというものだ。
若葉台は昨年度、日比野さんを講師に迎えたアートプロジェクト「空の教室」が開かれていたことから、今回の芸術祭の会場に選ばれた。市によると、高齢化が進む若葉台に多くの人を呼び込むことで、街の活性につなげようという目的もある。空の芸術祭実行委員会「空組」の南宏市朗副委員長は、「若葉台全体が会場になっているので、来場者には作品と一緒に街を見学してもらい魅力を発見してほしい。居住するきっかけになれば嬉しい」と期待を寄せる。
芸術祭は、若葉台をはじめ近隣住民がボランティアや作品制作のワークショップなどに参加。アーティストの五十嵐靖晃さんによるピンクに染めた800枚のシーツを団地のベランダに干す「いろほし」には、今年4月に移転開校した星槎中学高等学校の生徒も授業の一つとして参加している。
「空」にまつわる住民の作品展なども。実行委員の長沼伸行さんは「地域の協力なしではできない。多くの住民に参加してもらい、地域から盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
ブータンからアーティスト来日
芸術祭のため、若葉台には出展アーティストが住み込みで作品の制作活動に励んでいる。8月28日にはブータンから、アーティストのジャンペル・チェーダさん(38)が来日した。
初めて日本を訪れたジャンペルさんは、「若葉台は自然がたくさんあって気持ち良い。高いビルと木々に囲まれた風景が母国に似ている」と話す。
ブータンでは山に旗を飾る風習があることから、手作りした旗に1枚ずつ住民に願い事を書いてもらい、若葉台の中央商店会に飾る予定だ。子ども、大人、シニア世代と3列に分けられた旗が、最終的に一つに重なり、空に届くように飾りつける。ジャンペルさんは「一緒に創りあげたい」と語った。【=中面に関連記事】
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