9月1日は防災の日。災害時には人だけでなく、ペットも同じ「被災者」だ。旭区では8月26日、万騎が原連合自治会防災訓練の中で、ペット同行による避難訓練を初実施した。旭区内の地域防災拠点では災害時のペットの対応に関する明確なルールは決まっていないため、今後は拠点ごとに検討することが求められる。
旭区内に登録されている犬は約1万3千匹で、市内で3番目に多い(昨年度末時点)。このような地域特性を踏まえ、旭区では今年度の区政運営方針に「地域防災拠点のペット対策モデル事業」を盛り込んだ。
モデル地区となった万騎が原連合自治会で行われた防災訓練では、デモンストレーションとして区や旭区獣医師会、旭区動物適正飼育推進員、旭区ペットショップオーナーズクラブも協力。ペットの避難場所や避難用具の展示、ペットをケージに誘導する実演などを行った。犬と猫を飼っている50代女性は「以前からエサと水は準備していたが、それ以外に必要なものもわかり勉強になった。身近に避難できる場があるのは心強い」と話していた。
11月18日には万騎が原小学校地域防災拠点訓練で地域住民らが実際に訓練を行う予定。旭区ペットショップオーナーズクラブの青野佳子さんは「今回の訓練は貴重な実践の機会。飼い主には、いざという時に備えてペット用の避難用具を準備しておいてほしい。仮住まい用のケージは区が用意してくれるわけではないので、持ち運び用のケージは不可欠」と呼びかける。
拠点ごとにルール
動物アレルギーや動物が苦手な人もいることから、災害時、ペットは校庭の一角など人が居住する場所とは別の場所で避難生活を送ることになる。そのため、ケージや最低5日分の食料や水、処方薬、ペットシーツなどの備え、排泄のしつけなどは重要度が高い。区によると、避難生活中は避難ペットの管理組織を立ち上げ、メンバー間で規則や役割分担を決める必要性も出てくるという。
現在、旭区では災害時の地域防災拠点におけるペットの受け入れ体制は明確には整備されていない。区生活衛生課は「災害時のペットの対応は具体的に考えなければいけない問題。今後、各拠点が自主的にルールを決め、訓練を取り入れてくれれば」と話す。区では今回の訓練の映像を各拠点に見てもらい、理解を深めてもらう方針だという。
旭区獣医師会の北川泰彦会長は「実際に訓練を行ったことで、ペットを飼っていない人にも理解してもらうきっかけになったのでは。災害時はペットにも大きなストレスがかかり、嘔吐や下痢などの症状が出る場合もある。長期化した場合には衛生面を守ることも重要」と話した。獣医師会では災害時、各病院でペットを一時的に収容したり、治療する方針をとっている。
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