昨年4月から試験運行していた、二俣川駅から鶴ヶ峰駅の区間を走るコミュニティバス「四季めぐり」の本格運行が4月1日から始まった。ダイヤ改正など利用者の要望に応じた施策を事業者が進める一方、今後も運行を維持させるためには、地域住民の積極的な利用も求められている。
コミバスが走る旭中央地区には公共交通機関が通っておらず、10年以上前から地域でコミバス運行を求める声が上がっていた。それを受け、同地区では検討委員会を設置。横浜市が地域に密着した交通手段導入の取り組みを支援する「地域サポート事業」により、昨年4月から試験的に運行されていた。試験運行は4カ月と決まっていたが、事業者のふたえ交通(株)(篠崎智雄代表取締役)=本村町=が自社負担で3月末まで延長した。
4月1日以降は、より利便性を高めようと、運行ルートの変更、バス停2カ所が増設されるほか、9人乗りだった車両が13人乗りに変わっている。区内では若葉台地区で若葉台管理センター等が運営するコミバスが運行されているが、同事業を利用しての運行は今回が初めて。
同事業に取り組んでいるのは現状17地区で、そのうち試験運行を実施したのは3地区。市道路局によると、コミバスの運行は採算が不透明なことから事業者がなかなか決まらなかったり、地域住民の合意が得られないことから活動が休止してしまうケースもあるという。
一方、本格運行を継続している事例もあり、09年から運行している戸塚区小雀地区では1日平均約180人が利用している。市道路局は「コミバスは『地域で新しい交通を支える』という考えで利用してもらうことが大切。積極的に利用してほしい」としている。
四季めぐりの目標乗客数は1日130人に対し、1月から3月の月平均は約100人前後。事業者のふたえ交通(株)ではこれまでに地域の要望に応え、ダイヤ改正をしたり、特定のエリアでは停留所以外でも降車できるようにするなど工夫してきた。
篠崎社長は「新車両は乗降口が高く、高齢者には負担がかかる。ステップの設置など含め今後も地域の要望に応え、利便性の高いバスにしていければ」と話している。
「感謝」の一言
3月31日には、本村神明社で本格運行記念セレモニーが開かれ、地域住民をはじめ市・国会議員、濱陽太郎旭区長らも出席。濱区長は「地域の熱い思いと、ふたえ交通の地域への思いが合わさった結果。地域、企業、行政が一緒になり、さらに盛んになれば」とあいさつ。また、市立本宿小学校児童によるソーラン踊りや「和楽会輝音(かがね)」による和太鼓演奏も披露され、会場をより一層盛り上げた。
約5年にわたり運行を目指してきた、検討委員会の内田恒夫会長は「地域やふたえ交通には本当に感謝としか言いようがない。今後も継続させ手を挙げたら乗車できるような次のステップを目指したい」と話した。
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