救急需要の増加を受けて、横浜市は旭消防署・今宿消防出張所に区内5隊目となる救急隊を新たに配置した。10月3日から運用が始まっている。今宿周辺は救急隊の空白地帯でもあったことから、増隊後はより迅速な現場到着が期待される。
昨年の市内全体の救急出動件数は17万288件で、過去最多を更新した。高齢者(65歳以上)の搬送は2008年に成人を上回って以来、徐々に増加。昨年は7万5900人(前年比2846人増)と全搬送人員の半数を超えた。
旭区内でも市内同様、救急出動件数は年々増加傾向にあり、昨年は1万1131件と過去最多を更新している。高齢者数が市内1位、高齢化率が市内2位という背景もあり、今回、区内5隊目となる救急隊が配置された。今年2月には港南区の港南台消防出張所に7年ぶりとなる救急隊を配置しているが、それに次ぐ増隊。今宿の配置により、市内の救急隊は64隊となった。
横浜市では救急要請があると、消防指令センターからの指示により、現場に一番近くにある救急隊が出動する。これまで区内の救急隊は旭消防署・本署のほか、若葉台、都岡、南本宿消防出張所に配置されていた。また、周辺の瀬谷区には瀬谷消防署・本署と下瀬谷消防出張所に救急隊が配置されているが、それらを加えても今宿地区は他に比べて空白地帯となっていた。
1分の差がカギ
横浜市消防局の10年の統計によると、今宿地区における救急隊の現場到着にかかる所要時間は平均8・2分。だが、増隊後は約6・5分になることが見込まれており、1・7分短縮されることになる。今宿消防出張所の大江道就(みちなり)所長は「1分ごとで救命の度合いは変わっていく。地域のために効率的な救急隊の運用をしていきたい」と話している。
救急自動車の数は、国指針の計算式により算出されており、市ではそれに基づいて独自に消防力の整備指針を示している。今回の今宿の増隊により、充足率は100%になったことから、今後は増隊の予定はないという。
|
<PR>
旭区・瀬谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|