旭区内で今年1月から6月にかけて発生した振り込め詐欺の被害総額が約7300万円と昨年の約4600万円を大幅に上回っていることがわかった。旭警察署(池田雅彦署長)では啓発を強化して注意を呼び掛けている。
旭区内で上半期に発生した振り込め詐欺は昨対比14件増の29件。被害の最高金額は1700万円だった。発生件数は県内54署の中でワースト5位、金額はワースト6位となった。
手口は「オレオレ型」が20件と目立ち、「還付金型」が9件と続く。旭署によると、区内の高校の名簿が流出しており、卒業生の保護者が狙われるケースが多発しているという。旭署は「『風邪をひいて声が違う、携帯をなくした』などパターンはすべて同じ。このようなことを言われたら間違いなく詐欺なので、注意してほしい」と話す。
旭署では詐欺を防ごうと車両の放送による広報や、戸別訪問、金融機関への呼びかけなど啓発を強化している。阻止件数は昨対比18件増の28件となった。「金融機関の危機意識も高まっている」とする一方、「警察や金融機関が止めても信じない人もいる。もし、子どもに何かあったとしても、赤の他人に現金を渡すことはしないで」と呼びかける。
タクシー運転手が防止
旭署は6月27日、振り込め詐欺を未然に防いだとして、ふたえ交通(株)(篠崎智雄代表取締役)=本村町=のタクシー運転手・杉山富美恵さん(62)に感謝状を贈呈した。
被害未遂者は区内在住の70代女性。6月17日、午後0時40分頃、長男を名乗る男から「2時までの会議で金がいる。品川までタクシーで来てくれ」という電話を受けた。女性宅へ向かった杉山さんは会話の中で振り込め詐欺を疑い、直接息子に連絡するよう説得。長男の妻と連絡が取れ、詐欺被害を未然に防いだ。杉山さんは「普段通りの会話をしただけなので、防いだという実感はあまりない。社内でも振り込め詐欺に関する注意を受けていたが、まさか身近で起こるとは思っていなかった」と話した。
旭署によると、最近では警察の尾行を防ぐため、現金の引き渡し時にタクシーの利用を指定する手口も多いという。タクシー運転手が詐欺を防いだのは旭署管内では初めて。
高額扱いに預金小切手
神奈川県警では振り込め詐欺対策の一つとして、高額の現金を扱う際、当座預金口座を持っていない人でも利用できる「預金小切手」を使用することを推奨している。預金小切手は受取人が口座を持つ銀行に小切手を持参し、入金を依頼しなければならない。後で詐欺があったことに気付いても、取引を停止させることができるという。
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