本紙では、昨年の振り返り、現状や課題などについて、下田康晴区長に新春インタビューを実施。下田区長は、新型コロナウイルスの影響に触れつつ、「旭区の未来を創る新たなチャレンジにも取り組みたい」と思いを語った。(聞き手/本紙・渡部賢)
――2020年を振り返り、印象に残る出来事などを教えてください
「まずは、新型コロナウイルス感染症の拡大です。先行きの見通せない未曾有の事態に、誰もが不安な思いを抱えていらっしゃると思います。地域では、色んなことがこれまで通りには出来なくなり、多数のイベントも中止になりました。しかし、コロナ禍においても、区民の皆様が様々な工夫をされて、地域のつながりや活動を維持されていることを、大変ありがたく感じています。旭区では発表や活動の場を失ってしまった区民の皆様を応援したいとの想いで、『ASAHIオンラインフェスティバル2020』を企画しました。リモート合唱や団体の音楽・ダンスパフォーマンス、商店街紹介動画など、多彩なコンテンツを区民の皆様と一緒に創り上げました。フェスティバルには多くの協賛をいただき、フィナーレでは打ち上げ花火を行って、大変盛り上がりました。フェスティバルにご参加いただいた皆様、また様々な形でご協力いただいた皆様のおかげで、これまでに無かった新しいつながりの形ができたのではと思っています。改めて感謝申し上げます。動画は3月21日までホームページで公開していますので、ぜひご覧ください。そして、旭区の財産でもある里山ガーデンでは、秋の里山ガーデンフェスタを開催し、9万人を超える多くの方々にご来場いただきました。一昨年秋の来場者数を大きく上回ったとのことで、コロナ禍において、色とりどりの花が皆様の癒しとなったのではと思います」
――今年度取り組んでいる事業の進ちょく状況などを教えてください
「四つあげさせていただきます。一つ目は、国連で決定した世界の目標であるSDGsの視点を取り入れたチャレンジです。昨年11月には18区で初めてSDGs特設ウェブサイトを開設しました。地域課題は複雑化し、地域と行政の連携だけでは解決が困難になっていますが、旭区ではオンデマンドバスの実証実験などグローバルな企業による新技術の実装を目指した取り組みや、大学生やアーティストと連携した地域活性化の取り組みなど、新しいチャレンジが次々と展開されています。地域に躍動をもたらし、国内外からも注目を集め始めています。特設サイトでは、このような未来に向けたチャレンジを映像や記事で発信しています。今後も、サイトを活用するなどして、新たなパートナーとのマッチングを図り、パートナーシップで地域課題の解決に取り組んでいきます。二つ目は、国際園芸博覧会の機運醸成の取り組みです。博覧会は、日本だけでなく世界中の方が参加する国際的な博覧会であり、旭区でも区民の皆様と一緒に盛り上げていきたいと考えております。その一環として、昨年10月から1カ月間、相鉄線二俣川駅改札前広場に国際園芸博覧会のPRオブジェを設置しました。多くの方が足を止めてご覧くださり、博覧会を知っていただくきっかけとなったのではと思っています。また、機運醸成の取り組みとして、2月末まで「旭区花・緑フォトコンテスト」を開催中です。相模鉄道様にご協力をいただき、入賞作品は相鉄線改札上のモニターでご紹介するほか、相模鉄道キャラクター『そうにゃん』の絵本3点セットなどの豪華な副賞もご用意しております。皆様の作品が、花と緑につつまれた旭区の魅力を発信することにつながります。皆様からのご応募をお待ちしています。さらに、今年は、博覧会を旭区全体で盛り上げるための組織が設立される予定です。今後も2027年の博覧会開催に向けて盛り上げていきます。三つ目に、第4期地域福祉保健計画『きらっとあさひプラン』策定に向けた動きをご紹介します。この計画は、旭区に住むすべての方々が地域で支え合い安心して自分らしく暮らせるようにするための計画です」
「重忠公が大河ドラマに」区長インタビュー続き
「令和3年度にスタートする計画の策定にあたっては、地域・関係団体の皆様と議論を重ね、一緒に取り組んでいます。『誰一人取り残さない』というSDGsの精神を念頭に、子どもや高齢者、障害者、外国籍の方など『多様性の理解を深める』ことも目指す視点として考えています。多くの区民の皆様から頂いたご意見を計画に反映させ、皆様の思いを大切にしたわかりやすい計画を策定していきます。最後にもう一つ。旭区にゆかりのある武将『畠山重忠公』が2022年のNHKの大河ドラマで取り上げられることが決まりました。旭区では、重忠公慰霊祭や史跡の整備が行われるなど、区民の皆様が重忠公の武功に敬意を払って語り継ぎ、ご縁を大切にされてきました。コロナ禍における明るい話題に、大変喜ばしい気持ちです。2022年度は、相鉄線が東急線と直通する年でもあります。旭区がさらに元気になるきっかけになることを期待しています」
――最後に区民に向けたメッセージをお願いします
「超高齢社会の進展や人口減少による地域課題を解決していくためには、これまでのやり方を変えていかなければならないことがあります。このような中で、新型コロナウイルス感染症の拡大によって新たな制約が生じたことを契機に、未来に向けた変革をさらに進めていくことが必要であると思っています。旭区では、感染症対策を最優先にしつつ、そのうえでICTなども積極的に活用した新しいスタイルの創造と、旭区の未来を創る新たなチャレンジにも取り組んでまいります。本年もどうぞよろしくお願いします」
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