法務省が開催している「第40回全国中学生人権作文コンテスト」の神奈川県大会で本宿中学校3年生の和田美珠さんの作品『誰もが理解し合える社会とは』が最優秀賞に輝いた。昨年12月に表彰状を受け取った和田さんは「たくさんの人に伝わったことが嬉しい」と受賞を喜んだ。
同コンテストは、次世代を担う中学生が人権問題についての作文を書くことで、人権尊重の重要性や必要性についての理解を深め、豊かな人権感覚を身につけることを目的に行われているもの。1981年度から始まり今回で40回目となる。
神奈川県大会には県内350の中学校から7万5094編の応募があり、最優秀賞5編など45編が入賞した。
伝えることの大切さ主張
和田さんが同コンテストに応募したのは1年生の時に続き、2回目。学校の夏休みの課題で、受験勉強を終えた深夜に30分ほどで書き上げたという。作品では、精神障害を抱えながらも障害を隠さずに生きる両親の姿から学び、考えたことを400文字の原稿用紙4枚半に綴っている。精神障害者に対する偏見があることにも触れ、「目に見えない障害だからこそ、伝えて理解してもらうことが大切」と主張。最後は「この両親のもとに生まれたからこそ、伝えていきたい」と、自身の決意で結んでいる。
両親とともに受賞喜び
精神障害のある夫婦が子どもを産み育てることは珍しく、一家はこれまでたびたびメディアの取材や講演依頼を受け、ありのままの姿を見せてきた。それらを見聞きした人から届く感想には「『勇気をもらった』など、温かく前向きな言葉が並んでいることが多かった」と言い、「隠さずに伝えることの大切さ」を実感したという。
作品が最終選考に残っていることを聞いた時には「伝わる文章ってあるんだと思って嬉しくて泣いてしまった」と和田さん。さらに受賞の知らせが届くと、「両親がすごく喜んでくれた」と笑顔で話す。
同作品は県大会の前に行われた横浜市大会でも最優秀賞の一つである「横浜市人権擁護委員会長賞」を受賞しており、全文がインターネット上で公開されている。それを読んだ人からも反響があったと言い、「たくさんの人に伝わったことが嬉しい」とはにかむ。
間もなく受験を控える3年生。今後は「自分が講演をして伝えていきたい」と話し、福祉関係の進路を目指している。
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