旭区が独自で作成した小冊子「あれ?認知症かな?と思ったらひらくケアパスガイド」が好評となっている。今後は増刷や、小冊子を基にした研修会なども企画され、認知症患者に対する早期対応を加速する取り組みが広がる。作成した保健師の岡田百合絵さんは「悩みが大きくなる前の相談を促していきたい」と話す。
区高齢・障害支援課が昨年6月から準備を進め、2月に発行した小冊子。区内の各自治会町内会や地域ケアプラザ、区内医療機関などに配布・周知をしてきた。
A4サイズ6ページで作成されており、認知症の症状がどのように現れるかを道筋で表現。段階ごとに患者に対する周りの接し方、病院の受診や検診のタイミングがイラストや大きな文字で書かれている。読みやすさや気軽に手に取れるデザインで作られているため、住民やケアマネジャーから好評に。
2月に1万部を発行したところ、約5カ月で在庫がほぼ無くなり、来年度に予定していた5000部の増刷も近々前倒して行われる。また、8月には区老人クラブ連合会に向けた研修会も実施の予定だ。
75歳以上の人口市内1位
国内では65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍といわれている。その中、横浜市が発表した旭区の65歳以上の人口は72669人(2022年1月1日時点)で戸塚区に次いで市内2位。75歳以上の人口は市内1位という状況。高齢・障害支援課では毎日、認知症に関する多くの相談が寄せられている。
相談者の多くは当事者の家族で、中期か高度の認知症に進行した親が迷子になるなどのきっかけから訪れていたという。こうした背景を踏まえ、異変を感じ始めた時点で相談や診断を受け、薬や環境を通して進行を遅らせるほか、家族の負担を減らすために小冊子の作成に至った。
当事者の声を参考
認知症の当事者やその家族、専門医などと打ち合わせを重ね、作成された小冊子。家族の「どこに相談すればいいか、何をすればいいかわからなかった」という声に重点が置かれる。そのほか、認知症の人への接し方や相談先の地域ケアプラザの連絡先なども掲載。読みやすくするため、重要な点が簡潔にまとめられており、市が発行する認知症のガイドブックや区が発行する認知症カフェ一覧などと合わせた活用が勧められている。
岡田さんは「認知症の方の症状や接し方は患者それぞれ。家族だけで解決したいと話す方も多いですが、やはり、プロも参加したほうが、本人や家族のためになります」と話し、後悔する前に早めに相談してほしいと思いを語った。
また、同課課長の國分忠博さんは「サークルなどの活動でも認知症患者の理解を深めてもらい、認知症患者もそうでない人も互いに助け合い、いきいきと楽しんでほしい」と話した。
現在、小冊子は区役所と地域ケアプラザを中心に配布中。問い合わせは旭区高齢・障害支援課【電話】045・954・6125へ。
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