長屋門公園で4月から開講する写真教室で講師を務める 石渡 均さん 中希望が丘在住 59歳
「もう一度、原点に」
○…瀬谷区の長屋門公園で、初の試みとなる写真教室の講師を務める。「長屋門はよく遊んだ場所。洞窟があって、昔は秘密基地のようだった」。少年の頃、写真や漫画を雑誌に投稿。名前が載ることが嬉しく、表現の面白さに夢中になった。カメラマンとして歩んできた道を振り返り、「製作現場は予算や人間関係など制約もある。もう一度原点に戻って、参加者と楽しみたい」と意欲を見せた。
○…映画の原体験は3〜4歳の頃。銀座の映画館で見た「ターザン」に衝撃を受けた。「音と映像の迫力に震えたよ。父曰く、泣いていたらしい」。シナリオライターを志した20代前半から、ドラマや映画の撮影現場に参加。中でも円谷プロの特撮作品は「転換期」と語るほど、印象深い経験だった。「セリフ1行分で何カットも撮影するからシナリオ通りとはいかない。この時、映像は文字を越えられるのではと思った」。以降、フリーカメラマンとして、自らの思いを映像で表現してきた。
○…約20年前、文化庁が行う新進芸術家対象の海外研修制度で1年間、アメリカへ留学。映画「E.T.」等の撮影を担当したアレン・ダヴィオー氏と出会い、多くを学んだ。「技術を独占せず、分かる人が伝えていかないと」。日本映画学校や、現在は東京藝術大学映像研究科で後進の指導にあたる。「デジタル機器の普及で映画製作の垣根がなくなったのは良いこと。ただ、何を撮りたいか、表現の意図を持つことが重要」。恩師・岡崎宏三氏の言葉を借りながら、学生たちに貪欲な姿勢を求め続ける。
○…翻訳や映像専門書の執筆、文芸同人誌「澪」の編集長として評論を連載するなど、活動は多岐に渡る。働き盛りの頃、周りからの批判もあった。「いろいろやったらダメなのか。一つに絞らず、二刀流でも三刀流でも良いはず」。その思いが作品を生み出す力になった。新たな挑戦も気負わず、楽しみながら進んでいく。
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