旭図書館が公開する旭区風景写真アーカイブの写真を寄贈した 柳澤 美光(よしみつ)さん 中白根在住 68歳
街の変化 写真で切り取る
○…長年撮りためていた旭区内の風景写真が、地域の財産となった。旭図書館から開館30周年事業として写真アーカイブを作ることを相談され、快諾。「趣味で撮っていただけだったから、話を聞いてびっくりした。でも、たくさんの方に見てもらえてうれしい」。周囲からの反響も大きく、問い合わせも多いという。自分にとっては何気ない写真だったが、それは皆が求めていたものだったのだろう。
○…東京都出身で、父親の仕事の関係で17歳の時に上白根町に越してきた。「東京は下町でごちゃごちゃしてたから、自然豊かな風景に驚いた。天と地の違いだった」と笑う。そんな旭区は歩けばシャッターチャンスに出合える場所だったという。以来、「頭ではなく証拠で残したい」とカメラ片手に区内をめぐった。2013年には写真整理の意味も込めて、自費出版で写真集も発行。この本を旭図書館に寄贈したことも、今回のアーカイブ製作につながった一因だ。
○…小学4年生のとき、子ども用の小さいカメラを買ってもらった。「夢中になって風景を撮っていた」。その後は横浜市の小学校教諭になったが、初任給はカメラ代に。小学校教諭になったことで、今までは風景ばかりだった被写体が、子どもに変わった。「普段から撮っていたから、すごい量。風景写真の倍近くはある」。教え子とは今も年賀状などでやりとりを続けており、成長を見守る。「皆立派になったけど、小学生のときの写真を見て『こんな時代もあったんだぞ』と振り返ることもあります」と先生の顔がのぞく。
○…旭区制50周年に向けて、「何かを残したい」と模索中。「アーカイブにのせたもの以外にもたくさんあるし、平成の写真もある。整理したい」と次回作に意欲的だ。写真の魅力は「見たものを切り取り、凝縮できること」。「街は生きている」という長年の写真テーマを掲げ、これからも街の変化を切り取っていく。
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