神奈川県警本部長褒賞を受賞した港南防犯協会の職員 齊藤 陽子さん 日野在住
原点は子を守る母の愛
○…「物事の善悪を見極められる子どもを育てたい。それが将来の犯罪抑制にもつながるから」―。警察の外郭団体「港南防犯協会」の職員として地域防犯を支え12年。特に小中学生向けの誘拐や非行の防止に力を注ぐほか、防犯と名が付くイベントには必ず顔を出す。そんな地道な活動が評価されて受賞した県警本部長褒賞。「表彰される立場になると思っていなかったけれど、やっぱり嬉しい」と思わず顔をほころばせる。
○…幼少時代から人一倍正義感が強く、高校卒業後は迷わず警察官の道に。出産を機に退職後は専業主婦として育児や家事に励んでいたが、縁があって平成12年に現在の職に就いた。その理由は、「住み慣れた港南区が犯罪のない街になるよう貢献したい」との強い想いがあったから。「何事も白黒はっきりさせないと気がすまない性格」は相変わらずだが、それでも活動を通じて出会う人生の先達との交流を通じ、柔軟さも身に付いたという。
○…「子どもが事件や事故に巻き込まれて後悔するのは絶対嫌だった。過保護だったかもしれないけれど」。母として我が子の安全を守るために全力を尽くした子育て。だからこそ、当時中学生だった長女が言った言葉が今も忘れられない。「もう私の前を歩いて草を抜いたり、石をどけなくていいよ。これからは、つまずいて転んだり、草で手を切るのは私だから」。親離れの始まりを告げる言葉に寂しくて涙した一方、子どもは親だけでなく、周囲の人に支えられて成長していたことを実感した。
○…港南警察署と企画した小学生向けの出前防犯講習「防犯寺子屋」、中学生が犯罪状況や原因を研究する「防犯サミット」。それぞれ地域に定着しつつあることを喜び、さらなる継続を心から願う。「子育ては地域の力が大きい」と身をもって感じてきたからこそ、今度は自身が地域の力となり、すべての子どもが安全で暮らせる街を目指す。
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