多文化共生目指し20年 ハーティー港南台が集い
多文化共生社会を目指し、外国人支援と国際交流を続けている特定非営利活動法人「国際交流ハーティー港南台」(小野里純子(すみこ)会長)が20周年を迎えた。10月2日には記念の集いを港南台ひの特別支援学校で開催した。
ハーティー港南台は平成4年に誕生。小野里会長が日本語の不自由な外国人の通院に付き添った際に、医療面で外国人を支えることが必要だと感じて設立した。現在は日本人80人、外国人50人ほどが活動中だ。
当初は医療通訳を行う方向で運用方法を検討していたが、医療言語の複雑さや患者のプライバシーの問題もあり、試行錯誤の状態が続いていた。そんな折、済生会横浜市南部病院と同神奈川県病院から問診票の翻訳依頼を受けたことがきっかけとなって、多言語の問診票作成に着手。現在は内科や小児科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、眼科、産婦人科、耳鼻咽喉科、歯科の10科目で、英語、中国語、スペイン語、ハングル語、タガログ語、タイ語、ペルシャ語、ポルトガル語、インドネシア語、ラオス語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、ベトナム語、カンボジア語、クロアチア語、アラビア語の17言語の問診票をホームページで公開。今までに100万回以上のアクセスがあるなど活用されている。
海外支援
そのほか、力を入れているのが海外支援。バザーなどの活動で得た収益や寄付で20年にフィリピン北部のイザベラ州ジョーンズ市に図書館とDVシェルターを整備。加えて現地の子どもに学資支援を続けている。
また、外国人のために港南台駅周辺で日本語を指導しているほか、外国人と日本人が料理教室やカラオケなど交流する企画を多数実施。国籍に関係なく親子が集まり、楽しむサークルもある。すべての活動で外国人は日本で生活する知識を学び、日本人には相手の文化を学ぶ機会となっている。
記念の集い
記念の集いでは会場が満員となるなど、多くの来賓、来場者があった。小野里会長は20年間の活動を振り返ったほか、会員の外国人が自国の文化を紹介。また、ゲストとして登場したソプラノ歌手の嶋村友美さんが美しい歌声を披露し、記念の集いに華を添えた。
小野里会長は「20年は長いようで短かかったが、思いをもって継続すれば、形になることが改めて分かった」と話し、「会員や地域、行政のすべての人の善意と理解があって続けてこられた」と感謝の気持ちを語った。また、今後については「本気になって活動している人がいれば後押ししたい」と更なる海外支援に意欲を見せるほか、地域にある外国人支援グループとの連携や在住外国人の高齢化問題にも取り組みたいと話している。活動に関する問い合わせはメールで受付。【URL】http://hearty-npo.sakura.ne.jp/
【メール】jun_onosato@yahoo.co.jp
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