野庭住宅第五自治会の会長を30年間務め、横浜市長から表彰を受けた 植山 朝生さん 野庭町在住 72歳
地域の笑顔求め30年
○…野庭住宅第五自治会の会長として30年。地域を歩けば、顔なじみから「いつもお世話様。ありがとう」と声がかかる。「感謝されると、逆にこっちが感謝してしまう。互いに思いやる気持ちを感じられるのは良いね」。長年の功績により、このほど横浜市長から受けた表彰にも「皆の支えがあったからこそ。役員も会員も良い人ばっかりだもん」。柔和な笑顔に、地域から信頼される人柄が浮かぶ。
○…1973年10月、完成したばかりの市営野庭住宅に入居。当時は周囲に商店や病院がなく、草木もない敷地には風が吹けば砂埃が立って視界がきかなくなり「野庭砂漠」と呼ばれた。そんな状況を何とかしたいと、12月に立ち上がった自治会設立委員会に参加。「色々発言したのが悪かった」と苦笑するが、その積極性を買われ、周囲に推される形で委員長に就任した。そうして翌4月に発足した自治会では7年にわたり事務局長を務め、横浜市へ医療や商業施設の充実を要望。「皆の力で」生活環境が徐々に整備された。
○…41歳の働き盛りで就いた会長職。「やるからには、やりきらないと意味がない」とストイックな一面をのぞかせ、会合には開始2時間前から集会場で準備に励んだ。一方で精を出しすぎるあまり、自治会活動のために仕事を休むことも。「仮病をつかい女房に電話してもらった。徹底してやりたかったから」と語るとにわかに相好を崩し、「本当は仕事を徹底してやらなきゃいけないんだけど」。
○…650世帯で構成する自治会で、現在70歳以上は約270人。一人暮らしの高齢者も多く、「物干し竿に届かない」「電球が取り替えられない」など、生活の困り事が頻繁に届く。そんな要望に応えるために留守を避けるようになり、趣味の釣りもすっかり足が遠のいた。とはいえ表情は明るい。「命は限られている。できるだけ皆の力になれたら」。まだまだ現役で地域に尽くす覚悟だ。
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