保留児童数 港南区は105人 待機児童は区内ゼロ
横浜市は5月、今年4月1日時点での保育所待機児童数が20人だったと発表した。一方で定員超過のため希望する認可保育所に入所できない「保留児童数」は市全体で2384人、港南区内では105人となり、昨年から増加傾向にある。
重点施策として取組みを強化してきた結果、2013年4月に「待機児童ゼロ」を達成した横浜市。その後も株式会社の参入促進や既存施設の改修などを進め、今年度は認可保育所の定員数を2390人増やし、定員は611カ所で5万1306人になった(4月1日時点)。
しかし、市外からの転入者や就労を希望する保護者が増えたことなどから、保育所申込者数が5万2932人と昨年同期比で4114人増加。就学前児童数は昨年同期比で1566人減少している一方で、定員超過のため希望する認可保育所に入れなかった保留児童数は、昨年同期比638人増の2384人となった。
保留児童となった家庭には、各区に配置された保育コンシェルジュなどが横浜保育室や家庭的保育事業など認可以外の施設を紹介。それらの施設に入所した場合や、育休延長を選択した場合、自宅で求職活動中、特定の保育園のみを希望し入所できなかった場合に分類され、どのケースにもあてはまらない家庭が待機児童としてカウントされる。その結果、区内の待機児童は0人、市全体では20人だった。
「保留児童いる限り整備不可欠」
港南区では今年4月、白峰保育園(港南台)が認可保育所として新たに1カ所オープンし、全体で38施設となった。区全体の入所児童数は3305人と定員数3249人を超えて受け入れている。待機児童は昨年に引き続きゼロを維持する一方、保留児童数は105人と、昨年同期の39人から大幅に増えている。
就学前児童数は減少傾向であることから、港南区こども家庭支援課の担当者は「昨年の待機児童ゼロ達成から保護者の就労意識が向上したことや、1歳児の申込みが増えたため」と分析。保留児童となった家庭の中には祖父母に子どもを預けて就労するケースや、保育所に空きがあっても自宅から遠方のため、預けられていないケースもあるという。
「保留児童がいる限り、待機児童がゼロでも保護者の満足にはつながらない。保育所の整備は引き続き進めたい」と区の担当者。今後も保育コンシェルジュが各家庭への対応を続けるほか、地域子育て支援拠点「はっち」などでの相談会も継続していく。
一方で、民間の認可保育所の中には定員枠を拡大して受け入れるものの、「保育士数の確保が困難」という声もあり、市の保育所対策は課題が山積している。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>