本願寺横浜別院の輪番として御遠忌法要を執り行う 竹部俊惠(しゅんえ)さん 日野在住 65歳
さまざまな縁を大切に
○…浄土真宗の宗祖、親鸞の750回忌に行う御遠忌法要。2010年に横浜別院の輪番となって以来、丁寧に準備を進めてきた。記念事業である神奈川教化センターの落成も無事に終え、法要を行う4月25日、26日を前に「改めて親鸞聖人の教えに立ち返るきっかけになれば」と意気込む。
○…富山県南砺(なんと)市にある妙蓮寺の跡取りとして生まれるが、高校の時に出会った恩師に憧れて教員の道へと進む。先代住職の逝去によりキャリアの途中で住職となるも、教員は辞めず、二足のわらじを履く生活に。不登校や不良の生徒を担当することが多かったが、「みんなおんなじ『いのち』。1人の人間として認め、共感することを大切にしてきました」と優しい笑顔で振り返る。校長職まで務めるが、定年退職後すぐに横浜別院の輪番にと請われ、縁もゆかりもない横浜の地に。家族を残しての単身赴任だが、首都圏で働く教え子とお酒を飲む機会が楽しみなのだとか。一方、輪番になると同時に大谷幼稚園の園長にも就任。教員としての経験が大いに役立っている。
○…御遠忌法要に際し、横浜別院として「いまひらく ありのままのわたし」をテーマに設定した。親鸞の「決定(けつじょう)して自身を深信(じんしん)する」との教えを基に「良いことも悪いことも自分の身の上に起こることは仏様の教えとしてありのまま受け入れよう」との意味を込めたものだ。奇しくも昨年、心筋梗塞を患い、九死に一生を得た。「身体には気をつけていたけれど、病気になった。だけど、病気であることを引き受けることが、生きるということ。この経験を学びとしていかないと」
○…新築した教化センター内の和室にこだわりが。欄間(らんま)を手がけたのは故郷南砺市の伝統工芸、井波彫刻の職人だ。特注で彫り込んだのはみなとみらいや中華街など、横浜の景観。「富山と横浜、友好の印になれば」。人の縁、土地の縁、さまざまな縁を大切にして、御遠忌法要を迎える。
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