横浜市独自の子育て支援活動の1つ「横浜子育てサポートシステム」(通称・子サポ)。港南区では地域子育て支援拠点「はっち」が事務局を運営している。利用・提供会員数ともに増加傾向だが、「安定した運営のためにも、制度周知と活動件数の増加が今後の課題」と担当者は話している。
子サポは、安心して子育てができるように地域ぐるみでの子育て支援や、仕事と育児を両立できる環境づくりを目的とした、会員制、有償のささえあい活動。生後57日以上から小学6年生までの子どもを預けたい「利用会員」と、預かる(援助)側の「提供会員」、両者を調整するコーディネーターで成り立つ。
利用目的は幼稚園や保育園への送迎をはじめ、学校行事や冠婚葬祭、通院、仕事などの事情で子どもを見ることができないときや、買い物や習い事、美容室など自分の時間を持つためのリフレッシュなど。病児保育や宿泊、家事代行は対象外となっている。援助の報酬として、1時間につき800円(平日午前7時から午後7時、それ以外の時間帯は900円)が発生する。利用するためには事前登録が必要となる。
運営は市から委託を受けた各区支部事務局が行う。2001年に全市でスタートして以来、事務局は各区社会福祉協議会が担っていたが、10年から段階的に各区地域子育て支援拠点に移管。港南区では12年10月に、はっちに移管した。
会員数は増加傾向
移管以降、区内では「利用会員」・「提供会員」・利用と提供両方に登録する「両方会員」のすべてで増加傾向。移管直後の12年10月から今年5月1日時点までで、利用会員は206人から390人(184人増)、提供会員は48人から73人(25人増)、両方会員は14人から38人(24人増)まで増加した。
区支部事務局は毎月1回以上、はっち内で入会説明会を行っているほか、14年度からは地域ケアプラザでの出張説明会も開催。15年度は全地域ケアプラザで年間11回の開催を予定している。また、昨年度はスタッフが区内で1万4000枚のチラシをポスティングするなど、努力を続けている。
しかし、利用会員が増加しても、安定した件数の活動依頼がなければ運営は難しい。提供会員の意欲と定着度に影響があり、その結果、様々な依頼に対応できなくなる場合があるためだ。コーディネーターの山田やよいさんによると、「区内幼稚園は預かり保育が充実していることもあり、”おまもり代わり”として利用会員に登録だけしている人も多い」と指摘する。
安定運営に向け周知
昨年度1年間の活動件数は1405件となっており、区支部事務局はさらなる子サポの周知と利用呼びかけに力を入れる。
その1つが、リフレッシュ目的の利用を増やすことだ。区内での利用目的は7割が「保育園の送迎」となっており、開拓の余地は大きい。独自の取り組みとして、利用会員向けに料理やヨガなどの楽しみを取り入れた講座を実施し、楽しむ間は、はっち内で提供会員が子どもを預かる「リフレッシュ利用促進のための保育付き講座」を実施している。同講座で子サポを理解してもらうことも狙いだ。
山田さんは「子サポは地域での顔見知りも増える。さまざまな預かりがある中で、選択肢の1つにしてほしい」と呼びかけている。
システム内容や会員登録など詳細は、子サポHP(【URL】http://yokohama.famisapo.jp/)を参照。詳細は区支部事務局(はっち内)【電話】045・515・7306まで。
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