横浜市教育委員会によると、2012年度に公会計化した後の学校給食費未納額が14年度末で約1億9000万円に上ることが分かった。公会計化前後では集計方法等が異なるため単純比較はできないものの、12年度には前年度比約3倍になるなど、公会計化が未納額を増加させる結果をもたらしている。
市では12年度から、学校給食費の管理に関する条例により給食費を公会計化して一元管理している。従来は各学校単位で徴収する私会計方式だったが、学校の負担軽減や予算・決算の透明性確保等の理由から公会計化し給食費を徴収するのは「市長」と明文化した。
1人当たりの給食費の年額は4万4000円(一部の特別支援学校除く)。市によると過去3年間の対象人数は各年およそ18万5000人、総額約90億円で推移している。12年度の収納率は99・11%だったが、その後の督促等で99・5%に達した(5月末時点)。
一方、各学校からの報告をまとめた公会計化前の未納額は09年度が約3500万円、10年度約2900万円、11年度約2600万円(いずれも単年度集計)と、減少傾向にあった。
「距離感」も一因に
未納額の増加原因について担当者は、公会計化に伴う支払い方法変更による手続き漏れや入金忘れ等の他に「モラルの低さ」も指摘。また未納世帯への督促時の窓口が、以前は家庭にとって身近な各学校だったのに対し、公会計化後は担当局になったことによる「距離感の差」も一因としている。
督促をめぐっては、給食費未納が3カ月間続いた場合に、食材調達への影響を示した上で、支払いに応じなければ給食の停止もやむを得ない旨を通知するという埼玉県での例もある。
一方で横浜市では、教育的配慮やいじめ防止の観点から、給食停止はしない方針だという。「給食費で給食が成り立っていることを改めて周知するなど、未納防止を力点に対策を強化していく。支払いが難しい場合は援助の制度等を案内するので、学校に相談を」と担当者は話している。
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