港南区・栄区版 掲載号:2018年1月18日号 エリアトップへ

港南図書館で2月に講座「戦後『日本地形図』の歴史秘話」を開く 長谷川 敏雄さん 港南区大久保在住 68歳

掲載号:2018年1月18日号

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地形図は歴史を刻む「宝箱」

 ○…港南図書館で2月17日に「地形図」をテーマにした歴史講座を開く。昨年9月の「明治から戦前まで」の続編として、今回は「戦後」の日本の地形図について紹介する。今やインターネットを使えば世界中の地図が見られる時代だが、等高線のひいてある地形図には、その時代の街の様子が刻まれているという。「今以上に多くの人の苦労の上に作られている。そんなドラマも楽しんでもらえたら」

 ○…中学生の頃、教科書などで地図や各地の特産物を見ては、訪れたことのない土地へと思いを馳せた。高校卒業後は測量の専門学校に進み、航空写真の測量から国土地理院の地図を製作する会社に勤めた。現地調査では全国津々浦々を訪れ、山中も原付バイクで駆けまわった。「一人で立ち往生したり、夜遅くまで働いたりもしたけど、仲間たちと息抜きもしながらだったから苦痛じゃなかったな。今思えば、いい時代だったね」と当時を振り返る。

 ○…定年退職後、個人事務所として「地図編集工房」を立ち上げ、雑誌の執筆などを手がけてきた。「地形図は『宝箱』のようなもの。どんな植物が生育しているかなど、そこから想像を膨らませられる」と魅力を語る。ある時、戦後米軍に接収されていた新宿伊勢丹を拠点に日本人技師が地図を作っていたと知ると、伊勢丹に社史を見せてもらい、実際に当時の技師のもとを訪れた。戦後を知る語り部が年々減ってしまう中、貴重な体験談にふれては記録に残す使命感をおぼえる。

 ○…小学校入学とともに移り住んで以来50年以上、上大岡の移ろいを見てきた。子どもたちにも語り継ぎたいとの思いで、資料集めにも奔走してきた。懸念するのは地形図をはじめとする時代の情報が近年は紙に残りにくいことだという。データ上で情報が更新され続ければ、例えば10年前の街並みは分からなくなる。「そういう時代なのかもしれないけど」。講座を通じて「宝」の価値を伝え続ける。

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