著名人が発したホームレス状態の人や生活保護利用者への差別発言を受け、港南区出身の映画監督で映像制作者の飯田基晴さん(48)は、生活困窮者を記録した映画をこのほど無料公開した。
飯田さんは日限山小学校、日限山中学校卒業の「港南っ子」。20代前半から新宿駅周辺で暮らすホームレス状態の人の生活支援に関わるボランティア活動を始めた。2002年、ホームレスの日常を追ったドキュメンタリー「あしがらさん」で監督デビュー。新宿の路上で20年以上生活しているあしがらさんの3年間の記録で、飯田さんと関わる中で二人の信頼関係が生まれ、徐々に日常生活や笑顔を取り戻す様子が描かれている。
「放っておけない」
8月13日に飯田さんは自身のフェイスブックで差別発言をした「DaiGo氏の意見に対する、僕なりの反論です」とし、あしがらさんの無料公開(※8月末で終了)に踏み切った。「差別や偏見を踏み越えて、命まで軽んじている。(私が思うに)殺されてもかまわないような、殺害を扇動するようにあおっている言葉に感じた。学生時代からホームレスに関わってきた、その人たちを否定され、私の大切な思いも否定された。このまま、放っておけない」と飯田さんは当時の思いを語る。
「社会背景を知る」
また、飯田さんが理事を務める「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」が作った教材用の映画「『ホームレス』と出会う子どもたち」の無料公開が9月30日まで行われている。2008年の設立時から同団体で活動している飯田さんは、ホームレス問題の講師として、依頼があれば小学校から大学まで幅広く教壇に立ってきた。
飯田さんは「ホームレスの人がいるという社会背景やその人たちのおかれた状況を知ることが大切なのでは」と話す。
あしがらさんはオンデマンドで閲覧が可能(https://vimeo.com/ondemand/ashigara)。
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