2022年の年頭にあたり、本紙では栄区の冨士田学区長にインタビューを実施した。昨年の取り組みを振り返ったほか、コロナ禍での区政運営について語った。
――まずは昨年を振り返って、率直な気持ちをお聞かせ下さい。
「区民の皆様には新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策にご理解・ご協力を頂き、心より感謝申し上げます。地域活動の制約や公共施設の臨時休館、区民まつりの中止など厳しい1年でしたが、区民の皆様が新しい生活様式を実践しながら力強く笑顔で活動されていることに、大変大きなパワーを頂きました。本年も引き続き、地域課題の解決に全力で取り組んでまいります」
避難場所マップを改訂
――一昨年から引き続いてのコロナ禍で区政運営も難航されたと思いますが、区役所として重点的に取り組んだ事業は?
「まず防災について近年は、数十年に一度といわれる風水害が毎年のように発生し、日本各地に被害をもたらしています。昨年7月の大雨では栄区でも道路冠水やがけ崩れが発生しました。コロナ禍でも災害への備えに猶予はありません。
各世帯で風水害時の避難行動を改めて検討していただけるよう、『栄区避難場所マップ風水害編』を一部改訂いたしました。9月に全戸配布することで、栄区民の皆様には最新のハザードマップを含む防災情報を、他区に先駆けてお届けできました。感染症を考慮した地震・風水害に対する備えにも引き続き取り組み、警察・消防・医療機関等の関係機関とも連携を強化しました。
またコロナ禍で、区民の皆様の『非来庁型・非対面型』の手続きのニーズが高まっています。そこで、証明書交付のセルフ手続きを多くの方に知っていただき、便利にご利用いただけるよう、(株)ローソンと連携した取り組みを始めました。7月には区役所本館1階にもコンビニ店舗と同様に操作できるマルチコピー機を設置し、マイナンバーカードを使ってご自身で手続きをしていただくことで簡単に住民票の写し等の証明書を取得できる環境が整いました。
まちづくりの面では12月に地区センター、地域ケアプラザ、区民活動センターが一体となった複合公共施設『SAKAESTA(サカエスタ)』が開所しました。3つの公共施設が複合型となっている施設は市内でも初の試みです。コロナ禍において地域の活動は充分にできない状況ですが、人と人との繋がりを強くしていくきっかけになればと思っています」
より暮らしやすい栄に
――昨年は第4期栄区地域福祉保健計画『さかえ・つながるプラン』もまとめました。
「新型コロナウイルス感染症の影響により、当初策定時期から半年遅れとなりましたが、昨年10月に第4期栄区地域福祉保健計画『さかえ・つながるプラン』がまとまりました。地域の皆様が主体となって新しい生活様式や活動の形を模索しながら、お住まいの地域の福祉・保健の課題や解決に向けての取組を話し合っていただき、共につくりあげた計画となっています。
この計画は『みんなが支えあい安全・安心を感じるまち さかえ』を基本理念とし、目指すまちの姿を3つ掲げました。1つ目は『誰もが身近な地域でいきいき暮らせるまちに』、2つ目は『お互いさまで支えあうまちに』、3つ目は『様々なつながりがあり情報が行きとどくまちに』です。栄区がより暮らしやすいまちになるように、皆様と一緒に計画の推進に取り組んでいきたいと思います」
――区民の皆様へメッセージをお願いします。
「2022年も新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に引き続き取り組んでまいります。また区民の皆様に寄り添う行政サービスを提供するとともに、いつまでも暮らし続けたいと思うまちを目指して、地域の皆様や各種団体等の皆様と連携を続けてまいります。
そして災害対策も待ったなしで取り組んでいきます。引き続き自助・共助・公助それぞれの取組を着実に推進することで、普段から区民の皆様と区役所がつながり、いざというときの防災力を発揮できる『災害に強い栄区』を目指します。
働き方や暮らし方など、私たちの生活も様々な変化が起きています。SNS等の普及が拡大している現代社会において、人と人とのつながりは『文字』が中心となりつつあります。ウェブやテレワークなど、直接人と関わることなく会議や仕事ができ、コロナ禍の中でそのメリットは大きい一方、人との関係性は希薄となり、信頼関係が築きにくくなる要因になってしまうのではないかとも思っています。
人と人とのつながりは、直接言葉を交わし信頼関係を築いたうえで成り立っていくものだと感じています。区民の皆様とともに、人がつながり、地域がつながるまちづくりを進めてまいります。本年が区民の皆様にとって素晴らしい一年となりますよう、皆様のご健康と安全を心からお祈り申し上げます」
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