栄区の石井造園(株)(石井直樹社長)がこのほど、文部科学省の「青少年の体験活動推進企業表彰」で最高賞となる文科大臣表彰を受賞した。近年市内で広がりつつある「ナラ枯れ」の被害に着目し、調査体験を通じて子どもたちに身近な環境を考えてもらおうと取り組んだ企画が評価された。
この表彰は企業の社会貢献活動のうち、青少年の体験活動に関する優れた実践を称えるもの。2021年度は52社(大企業39件、中小企業13件)が応募し、プレゼンテーションを経て最終審査が行われた。
今回、文科大臣賞には石井造園のほか、(株)ファンケル(中区)が選ばれ、優秀賞にはサントリーホールディングス(株)、(株)ファーストリテイリング、森ビル(株)など8件が選定された。
「ナラ枯れ」テーマに
石井造園が取り組んだのは「ディスカバリーヨコハマ ナラ枯れを探そう」。ナラ枯れとはカシノナガキクイムシという虫を媒介にしたナラ菌により木が枯れる現象で、数年前から県内で急増しているという。
枯れた木を放置すると菌が繁殖して移ることがあるため、被害状況を把握しようと、同社は市内小学生と保護者を対象に「ナラ枯れマップづくり」を企画。上郷森の家・横浜自然観察の森でのイベントでは石井造園の樹木医が講師を務め、実際の被害樹木の観察も通じて啓発した。その後、この企画を通じて約300件ほどの情報が寄せられたという。
横浜の森考える機会に
同社の担当者によれば、原因となる虫は在来種で、ナラ枯れは古い木に起こるという。人が森に手を入れなくなったことが原因のひとつで、「退治すればいいということではない」と話す。企画は子どもたちに横浜の里山について考えてもらうのがねらいで、「森が失われるのは開発だけじゃないということ。いろんなことがあると知るのがまず大事」と語る。
今回の受賞を受け、石井社長は「地域企業は生業に対するプロとして、業界の課題やその業種だから解決できる社会課題を通じ、誰もが地域の先生になれると実証したかった」と話した。また「今後は他業種とのコラボし、地域の先生として授業を続けていきたい」と展望を語った。
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