港南区・栄区 人物風土記
公開日:2024.02.29
170年を迎えた建物修繕、建築工事等を手掛ける(株)櫻井の代表取締役を務める
櫻井 富雄さん
港南台在住 73歳
200年、その先へ─。
○…ペリーが二度目に来航した嘉永7(1854)年に創業。日米和親条約締結のために建設された応接所のペンキ塗装を命じられたことが「櫻井」の始まり。2月に創業170年を迎え、記念誌『二〇〇年企業を目指して』を完成させた。5代目は「時代にあったよりよい変化を心がけてきた。伝統を生かしながら初代から脈々と受け継がれてきた日々ひたすら丁重で誠実な仕事で、豊かなまち作りに貢献していく」と未来を見据える。
○…神奈川区の子安小学校に通い、地元の浦島丘中へ入学。家業の都合でその後、磯子区の浜中に転校。三代目の祖父や親戚から「お前が家業を継ぐんだよ」と言われ育った。大学卒業後に迷わず入社。「日本一のペンキ屋に少しでも近づきたいと一生懸命働いた」
○…幼い頃から5代目になることを周りから期待されていたが、見習いの一人として現場へ足を運び、職人と一緒に仕事をしながら技術を身につけた。バブルに入る前、転機が訪れた。商社の工事部からマンション改修や修繕の仕事を請け負うようになった。建築工事全般を手掛ける総合リフォーム等の事業を拡大させ、営業にまい進。「大変だったけどチャンスだと思った」。現在の売上高は入社当時の20倍程になった。近年では南部市場関連棟屋上改修や横浜マリンタワー改修など横浜を代表する建物の施工実績も多数ある。
○…横浜港南ロータリーの活動や春日神社奉賛会副会長として地域活動にも尽力。息抜きはゴルフ。ハンデ13と上級者の腕前。「土曜は磯子カントリーにいる。芝の上を歩くのは気持ちいい」と満面の笑み。5代目の背中を見て育った長男、次女も一緒に働く。「孫もいるから7代目までは大丈夫かな」。一瞬だけ好好爺の顔を見せた。
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