創立35周年を迎える「乾水会」の会主を務め、3月6日に記念発表会を開催する 二階堂乾洋(かんよう)さん 日限山在住 67歳
次代への想い、唄に乗せ
○…「ただ唄うだけでは心に響かない。詞の意味や背景など理解して自分のものにしないと」。日限山にある民謡教室「乾水会」の会主を務め、3月6日に創立35周年の記念発表会を開く。「当日は古き良き伝統邦楽を楽しんでもらい、お世話になった方々に少しでも恩返しできれば」と思いを語る。
○…昭和42年に日本民謡の師範であった夫と結婚。毎日練習に励む夫の唄を聞いた近所の人が「教えてほしい」と願い出たことをきっかけに、夫が初代家元・二階堂乾水となり、自宅2階を稽古場にして「乾水会」を開いた。それを機に自らも習い始めると「お腹の底から唄うって気持ちいい」とたちまち虜に。唄に込められた作り手の想いなど、奥深さに魅了されて練習を重ね、数年後には師範となって指導する側に。現在は8年前に亡くなった夫の遺志を継ぎ、二代目家元として会をまとめる。
○…日限山のほかに保土ケ谷にも教室を持ち、三味線の練習にも通うなど民謡漬けの毎日。忙しい日々だが、「民謡で多くの人と出会えた。そのおかげで人生が2倍も3倍も楽しい」と魅力を語る。しかし、人から人へと伝承されてきた民謡は、そのほとんどを師範から習って覚える必要があり、高齢化や若者の民謡離れが進む現代で伝承することは容易ではない。それでも「多くの方に発表会に来ていただき、日本の伝統文化に親しむきっかけとなれば」。伝統を途絶えさせてはいけないという責任感で自然と背筋が伸びる。
○…夫とともに約30年前に作った「日限山音頭」。1番から4番まである唄に、製作当時の日限山の風景や人々の様子、「地域の中で和が広がってほしい」という願いも盛り込んだ。そんな思い出の唄は日限山地域の盆踊りで必ず使われるなど親しまれ、親から子、そして孫へと受け継がれる。今回の発表会のフィナーレを飾るのもこの音頭。唄い踊り、会場は1つになる。
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