「子どもの力に」 地域住民が勉強補佐
放課後の野庭中学校の教室に週に1度、5時10分に生徒が集まり、1時間自習を行う。生徒を教えるのはボランティアの地域住民。生徒は宿題や苦手科目に取り組み、分からない部分はボランティアに質問する。そんな地域ぐるみの活動が一昨年から続けられている。
「スペシャル補習野庭」と名付けられたこの活動は、同中が生徒に学習習慣を身に付けてもらい、学力向上の一助になればと企画しているもの。ボランティアに協力をしてもらうことで、学習塾のように金銭負担もなく、学ぶ環境を提供することができる仕組みだ。
生徒たちは皆真剣な表情で参考書やノートに向かい合い、頭をかきながら勉強に取り組み、解答に詰まると近くにいるボランティアに声をかける。ボランティアは定年を迎えて職業をリタイアした人や教育実習を同中で経験した現役教師、主婦など。丁寧に指導する姿があちこちで見られるが、その理由も「子どもが好き」という気持ちからだとボランティアの1人は話す。
生徒の人数は週によって変わるが、1年生から3年生まで40人から80人が毎回参加する。活動の開始当初は「中学生なんて教えられない」としり込みするボランティアが多かったというが、今では「子どもの力になりたい」という思いで熱い指導をしているという。 当初からボランティアを務める現役教師の高橋由佳さんは「3年生は1年生の頃、落ち着いて席に座っていられなかった。今では勉強の姿勢も身についてきた」と振り返る。以前は立ち歩くことが多かったという男子生徒も現在は集中して机に向かっており、「皆で楽しく勉強している」と教室の雰囲気を話していた。
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