宮前ガバナンス5月号 連載寄稿 市民ミュージアムもっと魅力的な演出を 川崎市議会議員 石田やすひろ
創立25周年を迎えた市民ミュージアムは芸術・文化の発信拠点として親しまれています。収蔵資料や作品は20万4100点と国内でも屈指の規模。市ゆかりの物品や世界の逸品を見ることができます。しかし、その管理運営は市民ミュージアムとしての強みを十分に活かしきれていません。
昭和63年の開館から3年間は、20万人の総利用者数で推移し、平成12年には8万1674人の最低を記録。経営の視点で捉えれば、14年の収支比率2・55%から19年の6・67%まで上昇したものの、その後は下降し5%の低水準です。16年2月の包括外部監査では「民間であれば倒産状態」とまで指摘されました。
18年度から市民ミュージアム改革が本格的に図られ、経営形態を委託から直営にし、23年3月には「市民ミュージアム改革の進捗状況と今後の3年間の取組方針」が示され、基本方針に基づいた対策がとられてきました。今年度はこの「取組方針」最終年に当たります。位置づけられた「めざす姿」の実現に向けて引き続き、検証と改善を続けるべきだと考えます。
また今年度は「市民ミュージアム25周年記念事業」として特別展が開催されます。新たな芸術家の育成を目的とした現代美術の祭典で「新世代アーティスト展」「マンガ・アニメ祭り」「カワサキ・シティ」が開かれるとのこと。周年事業に対しては民間のミュージアムにはない公立ならではの福祉面へのアプローチや、若手の発掘と育成に向けた取組みにも期待しています。市には引き続き「ミュージアムの魅力」の創出に努めるよう働きかけていきます。
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5月3日
4月26日