認知症疾患医療センターに認定されたかわさき記念病院の院長を務める 福井 俊哉さん 潮見台在勤 66歳
優しい医療を地域に
○…「認知に関して不安を覚えた人が、遠慮せず気楽に相談できる居場所を作りたい」。2014年に開院した市内初の認知症専門病院で常に先頭を切ってきた。今夏には市内認知症医療の中核を担う「認知症疾患医療センター」に認定。目指すのは地域と共に発展していく病院だ。「認知症に精通した、皆さんの役に立つ優しい病院にしたい」と日頃から大切にしている思いを話す。
○…勤務医だった父親の影響で、栃木・横浜・長野など全国各地を転々とした。病院内に住まいがある医師住宅で医療従事者に囲まれて育ち、自然と医師を志した。学生時代にはアメリカ留学を経験。語学や文化を学び、帰国後に東京医科歯科大学を受験。合格し夢を叶えて以来、30年以上患者に接してきた。「宮前区は風通しもよいし、四季も豊か。落ち着いた人が多い」と区の印象を語る。
○…休みの日の楽しみは温泉旅行。コロナ以前は妻と伊豆や箱根の温泉地にドライブも兼ねて年数回ほど通った。「魅力は日常から離れ、景色を楽しみながらのんびりできること。これに尽きる」。娘も整形外科医と親子3代で医師の一家。自宅では医療についての会話を交わすことも。「息子は妻に、娘は自分に似て育った家族だね」と笑顔を見せる。
○…病院としては「地域の支援体制がまだ不十分なところがある。連携をもっと強化していきたい」と前を向く。患者を重んじる気持ちは「もっと親孝行すればよかった」という後悔から。「両親に出来なかった分は、院内の人たちに還元したい」と考え、今日も一人ひとりと向き合う。「患者さんと気楽にあいさつを交わす、友だちと接するような親しい関係性を作れたら」と優しく微笑んだ。
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11月24日