宮前ガバナンス4月号 連載寄稿 東京電力原発事故に伴う賠償請求を追及 〜予算審査特別委員会・論戦より〜川崎市議会議員 石田やすひろ
東日本大震災が発生してから7年が経過しました。何よりも「被災地に対する想い」を絶やしてはいけません。被災された方々への支援は、継続的な取組みが必要です。一方で本市の東京電力への賠償請求は市の責務であり、一定の期限の中で終結させなくてはならない問題です。事故に伴う賠償請求額に対して1割が返金されていない現状があります。議会ではこの問題を質しました。
ごみの焼却灰の保管や処分費用、市内農産物の検査等に要した費用を、市の税金で立替えていました。当然、東京電力から返還される事を前提に対応してきたのです。要した経費は、協議が整ったものから請求を行い、現時点の返金総額は、約36 億円となっています。
返金されない残りの4億円余は、空間放射線量検査費用や除染に係る費用、焼却灰等の一時保管場所の貸付料相当額の逸失利益などです。これらの経費は、福島第一原発事故との間に相当因果関係が認められると市は主張していますが、相手の理解が得られない状況です。市は今後、 個別協議が不調に終わった場合、法的な手段を含め検討に入りました。
市議会での局長答弁では「東京電力が対象外とする理由が明確でない経費など、必要性や有効性等を総合的に勘案の上、原子力損害賠償紛争解決センターへの和解の仲介の申立てを行いたい。市民への説明責任を果たす観点からも、適切に判断する」といいます。
原子力損害賠償紛争解決センターは「原子力損害の賠償に関する法律」に基づいて、原子力損害の賠償請求について、公正に紛争を解決することを目的とした、公的な紛争解決機関です。
市は、市民に対する説明責任を果たすため、原子力損害賠償紛争解決センターへ、和解の仲介の申立てをすべきです。市民の税金で立て替えたものについて、全額を賠償請求し返還を目指すのは「当然」であります。市民の理解を得るためにも、適切な対応が求められています。今後の進捗を見守って参ります。
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5月3日
4月26日