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町田 人物風土記

公開日:2014.09.11

地元町田で独立して「農家」として走り始めた
竹村 庄平さん
小山田桜台在住 31歳

武器は「繋がり」 農業に挑戦

 ○…農業従事者の高齢化が社会問題となる中、新規就農することを決心し、長野の有機農家で修業した。理論を学び、様々な土地で自分の求める条件に合う農地を探し、行き着いた先が地元町田。育った故郷で「農家」として歩き出した。「たくさんの友だちに応援してもらった。早くみんなに美味しい野菜を届けたい」と話す。朝は5時から遅い日は夜9時まで、畑の整備作業に明け暮れる。

 ○…大学時代の頭の中は農業でなく、「海外」。休みの度にバックパック一つでアジア中を放浪し、刺激を受けるのが好きだった。「アジアの時代が来るって本で読んで。単純だけどなにかデカい事やってやるってね」と笑う。卒業後にフィリピンに自費留学し、シンガポールでエンジニアとして海外勤務に就く。「自分の気持ちに正直に生きる」をモットーに何事にも挑戦してきた。海外生活の夢が叶った後の、新たな夢が『農業』だった。

 ○…知人の紹介で食べた有機野菜の魅力の虜になる。「美味いのに身体にもいいって最高でしょ。みんなにもっと知って欲しい」。胸の中で膨らむ想いを行動に移す転機は25歳。聴覚が急激に低下し、補聴器なしでは日常生活に苦労するようになった。「やっぱり悩みもした。劣等感でね。でもおかげで友だちのありがたみも感じたっていうのも事実」。自分を気遣ってくれた友だちたちに「仕事」で恩返しがしたい。『新鮮でおいしい有機野菜をみんなの食卓に届ける』という新しい目標ができた瞬間だった。

 ○…「アリとキリギリスのアリみたいな生活。大変だけど自分にはぴったりかも」と笑顔を見せ、「始まったばかりでももうプロ。逃げられない」と気を引き締める。「自分を通して有機に関心が高まり、みんなが健康になってくれたらそれが一番」と来年の収穫を目指し、奮闘中。小山田の畑には毎日の様に多くの友人たちが作業の手伝いに訪れている。

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