保育園の調理師で、「給食メニュー」を販売する 笹川 隆史さん 中町在住 42歳
日常の幸せを食卓から
○…心と体だけでなく社会的にも満たされた状態を指す「ウェルビーイング」。この言葉を知り、多くの人を「その状態」にしたいと思った。保育園で給食を作る傍ら、月に2回ほど山崎団地の一部を借りて揚げパンなど「給食メニュー」の販売を行っている。給食づくりと同じ、徹底した衛生管理で、日常にも安心できる食を届け、「美味しい」メニューでウェルビーイングに貢献できればと考える。
○…幼いころ記憶に残っているのは料理をする母親の姿。横から一口味見をするのが楽しかった。中学卒業と同時に、母の勧めから多摩市の調理師専門学校に通い、その後、助手として就職。「食育」という言葉に興味を持つと、小中学校の給食センターへ入職した。そして子どもが生まれたことで離乳食の知識不足を実感すると、保育園の給食調理の道へ。常に調理に向き合い、美味しい笑顔が見える毎日にやりがいを感じている。
○…「日常の小さな幸せ」を大切に、家族との時間を充実させている。家でできる楽しみを探していく中ではまったのは、観葉植物を育てること。鉢植えに小さなマスコットを飾る娘たちの姿に癒される一方、人生を見つめ直すきっかけにもなった。幹がしっかりしてから伸びる枝葉のように、「丁寧に日々を重ねる人になりたい」
○…喫茶店を始めたいという夢への一歩を踏み出したところでもある。目指しているのは幼い頃に家族で行った店。日曜日の朝に全員で家の掃除を済ませたあと、他愛のない会話をしながらピザトーストを食べた時間が何年経っても記憶に刻まれている。「自分もそんな時間を提供したい」。幅広い層に受け入れられ日常の一部になるような店を開くため、今は場所探しに奔走中だ。
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