プロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)が20日、都内ホテルで行われ、桜美林大野球部4年の佐々木千隼(ちはや)投手が5球団から1位指名を受けた。各球団の代表者による抽選の結果、千葉ロッテマリーンズが交渉権を得た。同野球部員への支配下選手のドラフト指名は初。
大学3年次よりエースとして活躍し、現在首位を行く首都大学リーグでも年間で7度の完封、53回連続無失点のリーグタイ記録を打ち出すなど「大学ビッグ3」の一人として注目を浴びていた佐々木投手。
ドラフト当日は、大学内の荊冠堂(けいかんどう)チャペルに特設された会場にて、野球部関係者や学生、教職員たちと共にドラフト会議の中継を見守り、大勢の報道陣の前で静かに時を待った。
同じ「大学ビッグ3」の2人が1順目で指名されるのを神妙な面持ちで見守る佐々木投手。結局1順目で名前を呼ばれず、会場は異様な雰囲気に。その直後、重複した1順目の抽選を外した全5球団による指名を受けると、会場は一瞬にして祝福の拍手や歓声に包まれた。
指名を待つ間、終始表情を変えなかった佐々木投手はようやく安堵の表情を見せると、「呼ばれないかもしれないと不安でいっぱいだったが、1位で指名していただき光栄です。素直に嬉しいがこれがゴールではない。ようやくスタートラインに立てました」とあいさつした。
「一軍に入ってローテーションに入り、優勝に貢献したい。取りたいタイトルは新人王」と力強く宣言する佐々木投手。「涌井(秀章)さんは小さい頃から憧れていた投手。同じチームでいろいろなことを吸収できれば」と話し、「バッターに向かっていく姿勢など闘争心が評価されたと思う。自分は変化球で打者を打ち取るピッチャー。変化球の精度を磨き、ストレートも課題を持って必死に練習していきたい」と決意を述べた。同学年の大谷翔平投手(日本ハム)について聞かれると、「まだまだ雲の上の存在。早く自分もその立場に立ちたい。チャンスがあれば日の丸を背負って一緒に五輪で戦いたい」と力強く話した。
佐藤東洋士桜美林学園理事長は「桜美林と言ったら40年前の甲子園初出場・初優勝のことを今でも言われるが、これからは桜美林と言ったらあの佐々木投手の、と言われるでしょう」と祝辞を述べた。三谷高康桜美林大学学長は「創立6年の若いチーム。そんな中から佐々木君のような選手が育ったのは嬉しい。東京五輪でも活躍してほしい」と話した。
リーグ初制覇
首都大学リーグ1部の桜美林大学は23日、サーティーフォー相模原球場でこの日まで首位で並んでいた東海大学と対決した。
登板したエース佐々木投手は、先制点を奪われたものの粘り強いピッチングで完投し、首位決戦を3―2で勝利。チームを同リーグ初優勝へと導く活躍を見せた。先の記者会見で「大学の仲間と一緒に、優勝を目標に頑張ってきた」と語った佐々木投手。一つ目標を達成し、次なる夢への一歩を進めた。
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