世界中の若いデザイナーや芸術家の卵の作品を商品化するプロジェクト、EggnWorks(エッグンワークス)((株)タグステイショナリー主催)。6月30日に発表された受賞作に、市内金井在住の小林ひなさん(20)の作品が選ばれた。9月にはノートのカバーデザインとして製品化される予定だ。
結果発表の瞬間、小林さんは友人といた。心を落ち着けてから公式ホームページを開くと、受賞作6作品の中に自分のデザインがあった。「やったぜ」。小さく拳を握り、友人と喜びを分かち合った。両親、祖父母、弟と暮らす家に帰ると食卓には寿司が。受賞を知った家族がサプライズで用意したものだった。
小さいころから絵を描くことが好きだった。指導を受けたり、専門の勉強をしたことはないが趣味や遊びとして続けてきた。高校を卒業しカナダの大学へ留学していたが、コロナの影響で帰国。自粛期間中に「何かやることを探そう」と思い、偶然見つけた絵のコンペに初めて応募した。
将来の目標は広告デザイン
作品タイトルは「ずっとそばに Always beside me」。長い間ずっと大切に使ってほしいとの想いを込め、季節の始まりから終わりまでを繊細さをイメージして細かい線で描いた。構想に一週間、試作なしの一発勝負でキャンパスに向かった。子どものころから愛用するお気に入りの色鉛筆で10時間ぐらいかけ、これ以上できないほど集中して描き上げた。いつもは評価の厳しい父が褒めてくれた。
ずっと自分に自信が持てなかった。日本を飛び出して海外に留学を決めたのも、自身を成長させるため。落ち込むようなことがあったとき、納得できる絵を描くことで自信を取り戻すことができた。自分を救ってくれる絵で結果をつかんだことも大きな喜び。「大げさだけれど、絵は自分にとって生きがいだから」
作品は高級感のある糸がかり製本ノートの表紙カバーになり商品化される。「いろいろな人の目に触れ、手に取ってもらえるだけで嬉しい」。アイコン用に友だちの似顔絵を描くこともあり、今はデジタルを使った作品づくりにも挑戦中。目的を持って描く方が自分に合っているから、将来は広告デザインなどの仕事をしたいと夢見ている。
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