大和版 掲載号:2012年2月24日号
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83年の歴史に幕 大和東 つるや呉服店

経済

 新橋通りの「つるや呉服店」(押田好司代表・74歳=写真)が、6月に83年続いた店を閉めることを決めた。

 同店は、昭和4年に横浜市で創業。関東大震災から復興に沸く時代。昭和25年に現在の店舗がある大和市へ移転した。

 当事中学生だった押田さんは、「さすが基地で栄えた町。活気が違ったね」と懐かしそうに振り返る。艶やかな着物をまとう婦人たちが街を闊歩。それこそ飛ぶように着物が売れた。

 病に父が倒れ、27歳という若さで2代目店主となった。弟の昭司さんと妻、家族で力を合わせてなんとか店を切り盛りした。「20年、30年を経てやっと1人前になれる世界。必死に知識を磨いた」という。

 思い入れが深いのは、今や大和市の代名詞とも言える「阿波おどり」。新橋通りから始まったこの祭りを、立ち上げから応援してきた。衣装製作にも携わり、踊り子たちの晴れ舞台にはわが子のように涙した。

 だが、時代の流れには逆らえず、客足は少しずつ遠のいていった。それでも「本物を求めるお客様がいるなら」と開き続けてきた。

 閉店の理由は、高齢になったことと、昨年長年二人三脚でやってきた弟が病に伏したことだ。「こんな時代に息子に継いでくれとも言えない。しっかりしているうちに、自分で幕を引きたい」と決めた。

 閉店を聞きつけ、常連客たちが店を訪れている。「さみしい、さみしい」と、年齢には合わない着物も買ってくれるという。「ありがたい」と最後の仕事に取り掛かる。大和の歴史を知る店が、またひとつ減る。
 

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