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世界サブジュニアパワーリフティング選手権大会でベストリフターになった 田村 陽さん 県立厚木商業高校2年 16歳

公開:2016年9月23日

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成長できることが楽しい

 ○…ポーランドで9月3日まで行われた世界選手権に初出場。満14歳から18歳部門に出場した17カ国62選手の中から、ベストリフターに輝いた。ベストリフターとは全9階級を同体重と仮定して算出する全体1位のこと。競技が盛んな欧米勢をおさえての快挙は、現行の階級制度になった2008年以降、日本人は一人も達成していない。

 ○…「まさかベストリフターとは考えていなくて、びっくりした」という嬉しさが半分。もう半分は、自己ベストに届かなかった悔しさだ。結果は、スクワット190・0kg、ベンチプレス160・5kg、デッドリフト175・0kgの合計525・5kg。8月頭の全日本選手権の記録には惜しくも及ばなかった。階級は53kg級。身長158cmの体には、筋肉がぎっしりと詰まっている印象だ。「表彰台でメダルをもらった瞬間、うれしさが込み上げてきた」。表彰台で君が代を聞きながら、日本を背負った重みをずしりと感じた。

 ○…競技を始めたのは高校から。中学まで野球一筋。部活引退後に持て余した時間と体で筋トレに夢中になっていると、厚木商業の女子ソフトボール部だった姉からパワーリフティング部を教えてもらい、入部を決意。厚木商業に進んだ。当時、世界大会で活躍していた同部の先輩・村田元輝さんの存在も大きかった。「数字で成長が目に見えることが面白しろくて」。大好きな野球を上回るほど、一気にのめり込んだ。

 ○…学校には、横浜市旭区の自宅から毎日1時間半かけて通う。野球好きは父の影響で、幼い頃から公園で姉と受ける父のスパルタ練習が日課だった。好きなチームは中日ドラゴンズ。好きな選手は「ずっとマネをしていた」という中日時代の井端弘和さん。「目標は来年の世界大会で2連覇。将来は一般でも世界で戦える選手になりたい」。日本パワーリフティング協会も認める期待の星は、今日も記録に挑み続ける。

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